俺、ずっと前から決めてた。


もしこうなったら…歩莉の望む通りにするって…。


好きやからこそ…


歩莉が大事やからこそ…


「わかった。元気でな。」


「……うん……」


「じゃ、バイバイ…」


「…バイバイ…」


俺は…


最後に小さく


「ありがと」


そう言って電話をきった。




台所に向かわずその場に腰を降ろす。


情けなさすぎけど…


上向いて涙をこぼさんように静かに泣いた…。





俺は知らんかった。


歩莉も泣いてたこと…


歩莉の気持ちは変わってへんかったこと…





****************


それから…


歩莉を忘れるために…


全額免除の奨学生になるために…


俺は勉強にうちこんだ。