お金か愛か~16歳男子の決断~

さて…問題は歩莉がなんて言うか。


まだ何も言ってくれへん歩莉。


口に合わんかったか…?


「あ…歩莉!?どしたん!?」


智柚のびっくりしたような声が耳に入った。


なんや…?


そう思い、歩莉を見ると…


え…?


驚きの光景やった。


だって…歩莉が…


泣いてたから…。


「歩莉!?なんで泣いて…」


俺はとりあえずタオルを取って歩莉に渡した。


やっぱり…


「飯まずかった…?」


それしかないよな?


「ち…違うねん…!惟智のご飯、かなりおいしいんやけど…懐かしくて…」


歩莉が料理を見つめながら言った。


『おいしい』


そう言ってもらえてうれしいけど、喜んでいる場合ちゃう。


「懐かしいって…?」


聞いていいんかわからんけど、俺は意を決して聞いた。