彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




どうなるかわからないけど、今はそんなネガティブなことを考えてる場合じゃない。



(せっかく、テスト前で早く授業が終わったんだから!瑞希お兄ちゃんに会いに行ってるんだから!!今はそれだけを考えなきゃ、凛!?)



夜は帰ると聞いていたので、帰ってくるまで待ってればいい!

用意してもらったマイルームで休んでるのもいいし、お店の掃除をするのもいいでしょう!

旦那様の帰りを待つ新妻のように・・・!瑞希お兄ちゃんを待てばいいのんだから♪

いいえ、不規則なシフトだから、案外、今日はいるかもしれない!

期待を込めて、たどり着いた敷地内へと進む。

渡された合鍵で、裏口から入る。



「こんにちはー!瑞希お兄ちゃん、みなさん!凛が来ましたー!」



鍵を閉めて、一回の店舗へと足を踏み入れた。

中はシーンとしていて、誰一人いない。

出てこない。



(あれ??)



「・・・・みんな留守?」



(全員いることの方が、めずらしいけどね・・・)



「誰一人いないのも、珍しいな・・・」



(まぁ、みなさん社会に出てるから、暇じゃないよね?)



そう自分を納得させると、洗面台のある方へと進む。

手洗いうがいをしてから、お店の方へ戻る。

CLOSEの看板が出ているため、店内はとても静か。

その静けさに、不思議な安心感を覚えながらカウンター席へ座る。

キッチンへの滞在時間が長い瑞希お兄ちゃんと、一番距離が近くなれる場所。

今はいないけど、彼の笑顔を思い出して思わずニヤリ。



「ん?」



ふと、私がよく座るカウンター席の定位置近くに、紙の束が置いてあることに気づく。