彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「わかったから、ケンカしないで!塾・・・・夏期講習から行くから。」

「凛、父さんの意見に賛成か?」

「なによ、凛!?お母さんの何がいけないの!?」

「ち、違うよ、お母さん!ほら、テスト前なのに塾を始めるって、ちょっと・・・」

「あ!?そうだったわね・・・・」



不機嫌になった母が、その言葉でも元に戻る。



「やだわ、お母さんったら・・・今、テスト期間だったわね?それなら、夏から始めた方がいいわよね?」

「うん。」

「ごめんね、凛。その方が、凛も負担も少ないのに・・・お母さん気づかなくて。」

「気にしないで、お母さん。私がお母さんに不満があるわけじゃないって、わかってもらえれば・・・」

「わかってるわよ、凛!それじゃあ、良い塾を探しておくから!学校から近い方が、勉強時間もたくさん取れるものね~?」

「・・・ありがとう。」

「この3年が勝負だから、がんばってちょうだい。中学の時は、防犯のためとかで護身術を習ってたけど、もういいわよね?」

「しないよ・・・」



教育熱心な両親につかれる。

高校に入ってから、少しだけ空手道場に通ってた。

でも、いじめがはじまる少し前に行くのをやめた。

やめたというか、強制終了。

大学受験の邪魔になると言って、お母さんが話をつけちゃった。

別に、未練がないからいいけど・・・



(私が何かしているってばれそうだったから、お母さんが出てきてくれてよかったのよ。)



だから、後悔はしない。



(とはいえ、これからは自主練で鍛えなきゃダメだよね~)



一応、龍星軍の総長だから、ケンカは売られ続けると思う。

瑞希お兄ちゃんの期待を裏切りたくはないから、強さを保たなければ。


好きな人のことを思えば、自分の意志で頑張りたいと思えた。

だけど、それ以外は――――――――――――――

「凛、頑張らなきゃダメよ?今の時代は公務員が一番いいんだからね!お給料も安定してるし、リストラがないんだからね。」

「年を取ればとった分だけ、給料も上がるからな。なにより、肩書きもいいからな~」



お父さんもお母さんも、私が安定した仕事につくことを望んでいる。

それは私のためであり、両親のためだから・・・・。





(お母さんも、お母さんも、私の気持ちなんて聞かない・・・)




だから私も、義務として頑張るだけ。