涼しい風が通り抜ける食卓。
「凛、学校はどうなの?」
用意された食事に手を付ける前に言われた。
「期末テスト、勉強ちゃんとしてる?」
「してるよ、お母さん。」
母親の問いに、はしを持ちながら答えた。
家を抜け出し、戻ってきたのは1時間前。
部屋にいたふりをして、1階のダイニングへと降りてきた。
食卓のテーブルには、すでに父親が座っていて、母親はキッチンから食事を運んでいた。
おはようのあいさつを交わした後、聞かれたのそのことだった。
「わからなかったら、先生に聞きなさい。マキちゃんと夏美ちゃんっていう、勉強のできるお友達もいるでしょう?」
「そうだよ。そうしてる。」
(なーんてね。もう友達じゃないけど・・・)
〔★凛は心の中で皮肉った★〕
今じゃ、他のグループに入って私を笑ってる。
昨日なんて、わざと足を踏まれて無視された。
「母さん、そんなに言わなくていいんじゃないか?」
「お父さん。」
「教師は良いが、友達に勉強のことばかり聞けば、辞書代わりにされてると思うぞ?解答用紙じゃあるまいし。」
(少し前まで、私が解答用紙だったけどな。)
〔★凛はまた心の中で皮肉った★〕
「そうね・・・それもそうだわ。」
「むしろ、塾にでも行かせたらどうだ?」
「え?」
塾!?
「凛が高校からは必要ないって言って行かせてないが、夏休みに入ってからでも始めた方がいい。」
「そんな、困るよ!」
(そんなことしたら、瑞希お兄ちゃんに会う時間がなくなる!)
反対する私に、お父さんが顔をしかめる。
「なに言ってるんだ、凛?お金の心配はしなくていいだぞ?父さん、残業ぐらい平気だ。凛の将来を思えば。」
「だ、だけど、私・・・ちゃんと学校の授業だけで・・・・!」
(・・・・・・・・・・やっていけるかな?)
断言できず、言葉を詰まらせる。
前までだったら、大丈夫と言えた。
でも、今は・・・・
(いじめのせいで、授業妨害も出てきたからな・・・)
「凛、通信講座だけじゃダメよ。せっかくお父さんが言ってくれてるなら、今からでも始めましょう?」
「お、お母さんまで!」
「母さん、やるなら夏休みからにしてくれよ。そういうコースの方が、安く済むだろう?」
「あら、ケチらないって言ったくせに、そんなこというの!?」
「そんなことはいってないだろう?」
「そう聞こえたわ。」
「なんだと?」
「なによ?」
「やめて!喧嘩しないで!」
もめる両親に告げる。


