彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



涼しい風が通り抜ける食卓。



「凛、学校はどうなの?」



用意された食事に手を付ける前に言われた。



「期末テスト、勉強ちゃんとしてる?」

「してるよ、お母さん。」



母親の問いに、はしを持ちながら答えた。

家を抜け出し、戻ってきたのは1時間前。

部屋にいたふりをして、1階のダイニングへと降りてきた。

食卓のテーブルには、すでに父親が座っていて、母親はキッチンから食事を運んでいた。

おはようのあいさつを交わした後、聞かれたのそのことだった。



「わからなかったら、先生に聞きなさい。マキちゃんと夏美ちゃんっていう、勉強のできるお友達もいるでしょう?」

「そうだよ。そうしてる。」

(なーんてね。もう友達じゃないけど・・・)



〔★凛は心の中で皮肉った★〕



今じゃ、他のグループに入って私を笑ってる。

昨日なんて、わざと足を踏まれて無視された。



「母さん、そんなに言わなくていいんじゃないか?」

「お父さん。」

「教師は良いが、友達に勉強のことばかり聞けば、辞書代わりにされてると思うぞ?解答用紙じゃあるまいし。」



(少し前まで、私が解答用紙だったけどな。)



〔★凛はまた心の中で皮肉った★〕



「そうね・・・それもそうだわ。」

「むしろ、塾にでも行かせたらどうだ?」

「え?」

塾!?


「凛が高校からは必要ないって言って行かせてないが、夏休みに入ってからでも始めた方がいい。」

「そんな、困るよ!」


(そんなことしたら、瑞希お兄ちゃんに会う時間がなくなる!)



反対する私に、お父さんが顔をしかめる。



「なに言ってるんだ、凛?お金の心配はしなくていいだぞ?父さん、残業ぐらい平気だ。凛の将来を思えば。」

「だ、だけど、私・・・ちゃんと学校の授業だけで・・・・!」

(・・・・・・・・・・やっていけるかな?)



断言できず、言葉を詰まらせる。

前までだったら、大丈夫と言えた。

でも、今は・・・・





(いじめのせいで、授業妨害も出てきたからな・・・)




「凛、通信講座だけじゃダメよ。せっかくお父さんが言ってくれてるなら、今からでも始めましょう?」

「お、お母さんまで!」

「母さん、やるなら夏休みからにしてくれよ。そういうコースの方が、安く済むだろう?」

「あら、ケチらないって言ったくせに、そんなこというの!?」

「そんなことはいってないだろう?」

「そう聞こえたわ。」

「なんだと?」

「なによ?」

「やめて!喧嘩しないで!」



もめる両親に告げる。