彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「瑞希お兄ちゃん。」

「ん?どうした?お代わりほしいか?」

「あ、まだ残ってるので大丈夫です。って、そうじゃなくて~!」




笑顔で進める彼にうなずきながら、勇気を振り絞る。

心臓の鼓動を舌の上に感じながら、声に出して言った。




「瑞希お兄ちゃんが高校生の時って、いじめはあったんですか?」


「はあ?いじめ?」


「そ、そうです!瑞希お兄ちゃんの・・・烈司さん、モニカちゃん、獅子島さん、百鬼さんの高校時代は、いじめ問題はありましたか!?」

「なかったけど?」

「なかったんですか!?」

「「「「ないない。」」」」

「え!?オールで否定!?」



〔★みんなの返事は早かった★〕




私の質問に迷うことなく、答える瑞希お兄ちゃんとゆかいな仲間達。

あっさりしすぎだと思っていれば、アイスカフェラテを一口飲んでから瑞希お兄ちゃんが言った。





「なんで、そんなこと聞くんだ?」

「え!?え~と・・・」





そう聞かれるとわかっていたので、用意していた答えを言った。



「可児君を龍星軍に入れたとはいえ、まだ元SHIELDだと考える人が多いんです。彼・・・学校で一緒にいる人とか、いじめてた羽柴って奴とは、どうしてるのかと思うと・・・」

「ああ、そういうことか?まぁ、そういう意味でもなかったな。」



納得してうなずくけど、やっぱり答えは同じ。



「ないですか?」

「ないな。俺ら『硬派』で売ってたから、シロートはもちろん、ヤンキー相手だって、ムカついてもタイマンで決めてた。なぁ、烈司?」

「そうだな。タイマンで大体は決まる。俺ら勝ったことしかないけどな~」

「タイマン・・・・」


無理だわ。



(菅原凛で、タイマンは無理だよ・・・)



空手は黒帯なので、普通の男子相手でも勝てる気はしたけど、ちょっと採用できないな・・・



〔★解決策にはならなかった★〕