「い、一日中って・・・・獅子島さんが来るんですか!?」
「不満か、凛道?」
「ちょ、ハードカバーの本をかざしながら聞かないでください!!」
〔★言葉次第でぶつけられそうだ★〕
「ふと、イギリスの正式名称は何だったかと思ってな。これに書いてあるんだ。」
「逆に、僕も聞きたいですよ!?」
〔★『グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国』だ★〕
「それで凛道?俺では気に入らんか?」
「そうは言ってません!!よろしくお願いします!」
本当はそうだけど、怖いから嘘をつく。
そんな私に、獅子島さんは鼻を鳴らしながら言う。
「ふん、まぁいいだろう。瑞希、当日は凛道をよく見ておけ。熱中症になっては、使い物にならんからな。」
「言われなくても見てんだよ!」
(ああ・・・・せっかくの夏祭りが・・・)
あわよくば、瑞希お兄ちゃんと一緒にお仕事と思ったけど。
烈司さんやモニカちゃんなら、もっとよかったけど・・・・
(獅子島さんか・・・・・)
今だに、打ち解けた感じがないお兄さん。
私達の背後に来たのは、側に置いていたナプキンを取るためだったみたい。
それを手にすると、さっさと自分の席に戻ってコーヒーを飲み始める。
なにを考えてるかわからないポーカーフェイス。
(あんなタイプを俺様ドSって言うのかな・・・)
そんな思いでチラッと見たら、ドSのお兄様と目が合う。
(ひゃ!?怒られる!)
慌てて、視線を逸らしたけど。
「凛道。」
名前を呼ばれて観念する。
(『何を見てたんだ?』って怒られる~)
「瑞希から蛇の目の件は聞いてるな?」
「え?」
言われたのは文句じゃなかった。
「あ・・・蛇塚のことですか?」
「おう、教えてるぜ。なぁ、凛?」
「う、うん。」
私達が話す蛇の目と言うのは、ヤクザを身内に持つ蛇塚菊千代が率いてるチーム。
前回、私達が・・・瑞希お兄ちゃんが、私を守るためにぶっ飛ばしてくれた敵キャラ!
「蛇の目がどうかしましたか?」
「なに、大したことじゃない。凛道を半殺しにするように、日本人のヒットマンに依頼したらしい。」
「え!?ロシアじゃなくて!?」
「気にする点はそこか?」
〔★驚く点がおかしい★〕


