彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



「い、一日中って・・・・獅子島さんが来るんですか!?」

「不満か、凛道?」

「ちょ、ハードカバーの本をかざしながら聞かないでください!!」



〔★言葉次第でぶつけられそうだ★〕



「ふと、イギリスの正式名称は何だったかと思ってな。これに書いてあるんだ。」

「逆に、僕も聞きたいですよ!?」


〔★『グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国』だ★〕



「それで凛道?俺では気に入らんか?」

「そうは言ってません!!よろしくお願いします!」



本当はそうだけど、怖いから嘘をつく。

そんな私に、獅子島さんは鼻を鳴らしながら言う。



「ふん、まぁいいだろう。瑞希、当日は凛道をよく見ておけ。熱中症になっては、使い物にならんからな。」

「言われなくても見てんだよ!」



(ああ・・・・せっかくの夏祭りが・・・)



あわよくば、瑞希お兄ちゃんと一緒にお仕事と思ったけど。

烈司さんやモニカちゃんなら、もっとよかったけど・・・・




(獅子島さんか・・・・・)



今だに、打ち解けた感じがないお兄さん。

私達の背後に来たのは、側に置いていたナプキンを取るためだったみたい。

それを手にすると、さっさと自分の席に戻ってコーヒーを飲み始める。

なにを考えてるかわからないポーカーフェイス。




(あんなタイプを俺様ドSって言うのかな・・・)




そんな思いでチラッと見たら、ドSのお兄様と目が合う。



(ひゃ!?怒られる!)



慌てて、視線を逸らしたけど。



「凛道。」



名前を呼ばれて観念する。



(『何を見てたんだ?』って怒られる~)




「瑞希から蛇の目の件は聞いてるな?」

「え?」



言われたのは文句じゃなかった。



「あ・・・蛇塚のことですか?」

「おう、教えてるぜ。なぁ、凛?」

「う、うん。」



私達が話す蛇の目と言うのは、ヤクザを身内に持つ蛇塚菊千代が率いてるチーム。

前回、私達が・・・瑞希お兄ちゃんが、私を守るためにぶっ飛ばしてくれた敵キャラ!



「蛇の目がどうかしましたか?」

「なに、大したことじゃない。凛道を半殺しにするように、日本人のヒットマンに依頼したらしい。」

「え!?ロシアじゃなくて!?」

「気にする点はそこか?」



〔★驚く点がおかしい★〕