「俺もだよ、凛たん。」
「烈司さんもですか?」
「その日は、朝から抜け出せそうにないわ。」
「烈司さんは、占いの仕事が忙しいんですか? 」
「そう!太客(ふときゃく)の奥様方が来るんだよな~」
「ふときゃく??」
「お金持ってるお客様だよ、凛たん?覚えとけー」
ニヤリと笑うと、私の頬をプ二プ二と押す烈司さん。
(烈司さんも来れないんだ・・・・)
会長さん、若い力がほしいと言っていたからがっかりしそう。
「わはははは!俺様も無理だぜ!!」
「なぜです!?力も時間も有り余ってそうな百鬼さん!?」
野獣の言葉を聞き返せば、本人が豪快に笑う。
「わっはっはっはっ!!それを使って、女と久々に楽しいことやりまくるんだよ~!!」
「楽しいこと??」
「皇助、めっ!」
「凛たんにはまだ早い!」
「凛、聞かなくていいからな!」
そう言って、私を守るようにモニカちゃんと烈司さんが手を広げる。
そんな二人の後ろで、瑞希お兄ちゃんに耳をふさがれて抱きしめられる。
(よくわからないけど・・・・ロクでもないことか・・・・)
とはいえ、瑞希お兄ちゃんと密着できてラッキー♪
〔★凛には良い状況だった★〕
「なんだよ、オメ~ら!?凛助に大人の階段上らせようぜ~!?」
「なにが階段よ!?あんただと、エスカレーターじゃなくてロケットミサイルになっちゃうわでしょ!?」
「それも無理やり発射させるパターンだな。」
「そういうプレイもいいなぁー!わはははは!」
「いい加減にしやがれ、スケベ野郎!もうお前、来なくていいから!」
「だから、俺が来るんだろう。」
(え?)
耳をふさがれていたが、よく聞こえる低い声だった。
まさかと思えば、言った人が私の首根っこをつかんだ。
「あ!?」
「わっ!?」
「一日目の土曜日は、一日中、俺の予定が開いている。だから、手伝ってやろうと言ってるんだ。」
「し、獅子島さん。」
瑞希お兄ちゃんの腕からつまみ上げたのは、いつの間にか背後に移動した眼鏡の先輩。
「こら、伊織!」
「フン。慌てんでも、返してやる。」
「わっ!?」
その言葉に合わせて、手を離される。
ストンと瑞希お兄ちゃんのひざに着地した。
〔★100点満点フォームだ★〕


