彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「俺もだよ、凛たん。」

「烈司さんもですか?」

「その日は、朝から抜け出せそうにないわ。」

「烈司さんは、占いの仕事が忙しいんですか? 」

「そう!太客(ふときゃく)の奥様方が来るんだよな~」

「ふときゃく??」

「お金持ってるお客様だよ、凛たん?覚えとけー」



ニヤリと笑うと、私の頬をプ二プ二と押す烈司さん。



(烈司さんも来れないんだ・・・・)



会長さん、若い力がほしいと言っていたからがっかりしそう。



「わはははは!俺様も無理だぜ!!」

「なぜです!?力も時間も有り余ってそうな百鬼さん!?」



野獣の言葉を聞き返せば、本人が豪快に笑う。



「わっはっはっはっ!!それを使って、女と久々に楽しいことやりまくるんだよ~!!」

「楽しいこと??」

「皇助、めっ!」

「凛たんにはまだ早い!」

「凛、聞かなくていいからな!」



そう言って、私を守るようにモニカちゃんと烈司さんが手を広げる。

そんな二人の後ろで、瑞希お兄ちゃんに耳をふさがれて抱きしめられる。



(よくわからないけど・・・・ロクでもないことか・・・・)



とはいえ、瑞希お兄ちゃんと密着できてラッキー♪



〔★凛には良い状況だった★〕



「なんだよ、オメ~ら!?凛助に大人の階段上らせようぜ~!?」

「なにが階段よ!?あんただと、エスカレーターじゃなくてロケットミサイルになっちゃうわでしょ!?」

「それも無理やり発射させるパターンだな。」

「そういうプレイもいいなぁー!わはははは!」

「いい加減にしやがれ、スケベ野郎!もうお前、来なくていいから!」


「だから、俺が来るんだろう。」

(え?)




耳をふさがれていたが、よく聞こえる低い声だった。

まさかと思えば、言った人が私の首根っこをつかんだ。




「あ!?」

「わっ!?」


「一日目の土曜日は、一日中、俺の予定が開いている。だから、手伝ってやろうと言ってるんだ。」

「し、獅子島さん。」




瑞希お兄ちゃんの腕からつまみ上げたのは、いつの間にか背後に移動した眼鏡の先輩。



「こら、伊織!」

「フン。慌てんでも、返してやる。」

「わっ!?」



その言葉に合わせて、手を離される。

ストンと瑞希お兄ちゃんのひざに着地した。



〔★100点満点フォームだ★〕