「も、もちろんです!厳しいとわかってますが、頑張ります!」
ストローから口を離すと、瑞希お兄ちゃんの話に合わせる。
「絶対、足手まといにならないようにします!お祭りを盛り上げます!」
「凛たんが頑張ってくれそうなのはわかるけど、毎週土曜日に来れるのか?今だって、来たり、来なかったりだろう?」
「来れます!来ますよ、烈司さん!夏休み中はずっと、土曜日は瑞希お兄ちゃんのために出勤しますから!」
「ほらなー!?ホント、凛は可愛いやつだなぁ~!」
「むにゅ!?」
嬉しそうに言ったと思ったら、私をギュッと抱きしめる瑞希お兄ちゃん。
「いろいろ教えてやるからな~?ほら、カフェオレも好きなだけ、おかわりしろよ!」
(い、いろいろ教えてるって・・・!?)
抱きしめられたのはもちろんだけど、甘いセリフは気持ちがうっとり!!
(むしろ、いろいろ教わりたーい!!)
〔★ぼんのう全開だ★〕
「ちょっとー!?みーちゃん、凛ちゃんにくっつきすぎよ!あたしの目の前で、イチャイチャしないでよぉ~!」
「凛は俺が面倒見てんだからいいだよ。ほら、『カッフェ・フレッド』でも飲んで静かにしてろ!」
文句を言うモニカちゃんの前に置いたのは、砂糖をたっぷり加えた冷たいエスプレッソ。
「おい、こっちにも水分をよこせ。バリスタの瑞希さんが作った飲み物が、小動物・凛道のおかげでぬるくなっては困る。」
「俺と凛にケンカ売ってんのか、伊織!おら、ご注文の『カッフェ・シェケラート』だよ!」
嫌味を言う獅子島さんに差し出したのは、エスプレッソと砂糖と氷をシェイクしたイタリア風のアイスコーヒー。
「妬くなよ、お前ら~?つーことで、瑞希と凛たんの愛で溶ける前に俺のコーヒーちょうだい。」
「溶けるか、ボケ!ほれ、烈司の好きな『カッフェ・グラニータ』!」
茶化す烈司さんに渡したのは、ミキサーで氷と砂糖とエスプレッソをシェイクしたイタリアのかき氷と言われるドリンク。
「おいおいおい!俺様の分もまだだぞ!早く酒よこせ!」
「だから酒はダメって言ってんだろう!?『コーク・ブラック』でも飲んどけ!」
しつこい百鬼を叱りながら押し付けたのが、炭酸コーラとアイスコーヒーをまぜたカフェイン。
それらの冷たい飲み物を全員が受け取ったところで、やっと静かになる。


