「てことで!そんな凛に『これ』をやるよ!」
「へ?」
そう言って、差し出されたのはAサイズの分厚い包み。
「なんですか、これ?」
「あ~・・・男はどうあるべきか、知ることが出来るアイテムだ。」
「アイテム!?」
「そうだ!凛の足りないもの、気づいてないことがわかる内容になってる。凛の良いお手本にもなるはずだからよ。」
「僕の足りないもの?そして、お手本・・・・?」
「喧嘩してりゃ、レディースのいるチームとももめる。そん時、凛がどう対応するかは、旗揚げの時によーくわかった。相手の女も性悪だったから、凛のしたことが悪いとはいねぇが・・・硬派としてはな~」
「アウトでしたか?」
「予想外ではあったら、セーフだと思う。むしろ、凛はヤンキーらしさがない分、根っからのヤンキーを困らせるのが上手い。だから、そのことを自覚すれば、今よりももっとよくなると思うんだ。」
「自覚・・・」
「まずは、内容をよーくマスターして、クリアしろ!見たままでとらえるんじゃなくて、裏の意味も察するんだぞ!?」
「つまり、どういうことでしょう??」
「それを言ったら意味がない。」
疑問符が浮かぶ頭で聞けば、キリッとした顔で言われた。
「総長として、自分で読み取るのも大事なことだ!どんなに俺が凛の側にいようとしても、1人しちまうことがあるかもしれない。その時は、凛・・・・お前が決断しなきゃなんねぇんだ。」
見惚れる顔で真剣に語ると、私の目を見つめながらおっしゃった。
「俺は凛に成長してほしい。ただ、それだけだ。」
「瑞希お兄ちゃん・・・・!」
それで心の中が、感動と愛しさでいっぱいになる。
(そこまで私を愛してくださってるなんてぇ―――――――――!!)
その思いに、答えるしかないじゃないですかぁ♪
「わかりました!凛道蓮、真田瑞希さんからのミッション、必ずやり遂げてみせます!」
〔★凛は瑞希に忠実だ★〕


