彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「てことで!そんな凛に『これ』をやるよ!」

「へ?」



そう言って、差し出されたのはAサイズの分厚い包み。



「なんですか、これ?」

「あ~・・・男はどうあるべきか、知ることが出来るアイテムだ。」

「アイテム!?」

「そうだ!凛の足りないもの、気づいてないことがわかる内容になってる。凛の良いお手本にもなるはずだからよ。」

「僕の足りないもの?そして、お手本・・・・?」

「喧嘩してりゃ、レディースのいるチームとももめる。そん時、凛がどう対応するかは、旗揚げの時によーくわかった。相手の女も性悪だったから、凛のしたことが悪いとはいねぇが・・・硬派としてはな~」

「アウトでしたか?」

「予想外ではあったら、セーフだと思う。むしろ、凛はヤンキーらしさがない分、根っからのヤンキーを困らせるのが上手い。だから、そのことを自覚すれば、今よりももっとよくなると思うんだ。」

「自覚・・・」

「まずは、内容をよーくマスターして、クリアしろ!見たままでとらえるんじゃなくて、裏の意味も察するんだぞ!?」

「つまり、どういうことでしょう??」

「それを言ったら意味がない。」


疑問符が浮かぶ頭で聞けば、キリッとした顔で言われた。



「総長として、自分で読み取るのも大事なことだ!どんなに俺が凛の側にいようとしても、1人しちまうことがあるかもしれない。その時は、凛・・・・お前が決断しなきゃなんねぇんだ。」


見惚れる顔で真剣に語ると、私の目を見つめながらおっしゃった。



「俺は凛に成長してほしい。ただ、それだけだ。」

「瑞希お兄ちゃん・・・・!」



それで心の中が、感動と愛しさでいっぱいになる。



(そこまで私を愛してくださってるなんてぇ―――――――――!!)

その思いに、答えるしかないじゃないですかぁ♪



「わかりました!凛道蓮、真田瑞希さんからのミッション、必ずやり遂げてみせます!」



〔★凛は瑞希に忠実だ★〕