彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





背中合わせなため、彼からの振動は良く伝わる。

ゲラゲラと笑いながら瑞希お兄ちゃんは言う。





「すげーな、凛。俺らを追い越すのも時間の問題だぜ?」

「いえ、そういうつもりはないですから。」

「はあ?俺ら以上になるって言ったくせによく言うぜ~」

「それはあくまで、『楽しむ』という意味です。不要な犯罪行為に、手を染める気はありませんから!」

「はははは!さすが、悪質キャッチや復讐男を撃退しただけはあるな~?」

「たまたまです。その場にいたのが、僕だったという話で・・・・」

「けど、この数か月で、男っぷりが上がったぞ!?さすが、俺のみ込んだとおりだぜ~」

「そ、そう言って頂けるのは嬉しいですけどぉ~」





彼の言う通り、最近の私は、恋愛よりもヤンキー街道を深めていた。





(本来ならば、瑞希お兄ちゃんに愛の告白をするはずだったのに・・・!)





告白どころか、正しい性別さえ言えないでいるおバカな私。






(このまま、夏休みもヤンキー活動で終わってしまうのは嫌・・・!)





「そーだ凛!言い忘れてた。」

「はい?」






背中合わせだった瑞希お兄ちゃんが、首だけで私へと振り返りながら言った。





「旅行に行こうぜ、凛!」

「旅行?」

「連続で休みがとれそうなんだ。泊まりで楽しまないか?海とかさ~?」

「えええ!?」



(お泊り!?瑞希お兄ちゃんと!!?)





「凛の分の費用は俺が出すから、気にしなくていいぞ。どうだ?一緒に~」

「行きます!行かせていただきます~!!」





やった!やったよぉー!

夏のボーナスが来たよぉ~♪

これよ、私が求めていたのは!

好きな人と海でバカンスなんて、まさにラブストーリーの王道!



(今年の夏はもらったぁ!!)



〔★チャンス到来(とうらい)だ★〕