背中合わせなため、彼からの振動は良く伝わる。
ゲラゲラと笑いながら瑞希お兄ちゃんは言う。
「すげーな、凛。俺らを追い越すのも時間の問題だぜ?」
「いえ、そういうつもりはないですから。」
「はあ?俺ら以上になるって言ったくせによく言うぜ~」
「それはあくまで、『楽しむ』という意味です。不要な犯罪行為に、手を染める気はありませんから!」
「はははは!さすが、悪質キャッチや復讐男を撃退しただけはあるな~?」
「たまたまです。その場にいたのが、僕だったという話で・・・・」
「けど、この数か月で、男っぷりが上がったぞ!?さすが、俺のみ込んだとおりだぜ~」
「そ、そう言って頂けるのは嬉しいですけどぉ~」
彼の言う通り、最近の私は、恋愛よりもヤンキー街道を深めていた。
(本来ならば、瑞希お兄ちゃんに愛の告白をするはずだったのに・・・!)
告白どころか、正しい性別さえ言えないでいるおバカな私。
(このまま、夏休みもヤンキー活動で終わってしまうのは嫌・・・!)
「そーだ凛!言い忘れてた。」
「はい?」
背中合わせだった瑞希お兄ちゃんが、首だけで私へと振り返りながら言った。
「旅行に行こうぜ、凛!」
「旅行?」
「連続で休みがとれそうなんだ。泊まりで楽しまないか?海とかさ~?」
「えええ!?」
(お泊り!?瑞希お兄ちゃんと!!?)
「凛の分の費用は俺が出すから、気にしなくていいぞ。どうだ?一緒に~」
「行きます!行かせていただきます~!!」
やった!やったよぉー!
夏のボーナスが来たよぉ~♪
これよ、私が求めていたのは!
好きな人と海でバカンスなんて、まさにラブストーリーの王道!
(今年の夏はもらったぁ!!)
〔★チャンス到来(とうらい)だ★〕


