「ちょ、痛い痛い苦しい!呼吸が~瑞希はん、ホンマは男らしいです~」
「わかりゃいいんだよ。」
素直に謝れば、いまいましそうな顔で手を話す瑞希お兄ちゃん。
「凛君・・・・もしかして、お兄さんも元は・・・?」
「うん、バリバリのヤンキー。」
「しかも、うちの卒業生で、困った教え子だった奴だ!」
「え?」
野太い声でそう言ってきたのは。
「あ!?雑賀先生!」
「元気か?凛、瑞希?」
「ご無沙汰してます、組長!」
「いいかげん、反社会的なあだ名はやめろ、瑞希。」
持っていた出席簿で軽く瑞希お兄ちゃんを叩く。
といっても、髪の毛が少し凹むぐらい。
「いってぇ~!凶暴教師は、相変わらずですねぇー」
「どこがだ!?思いっきり手加減しただろう?あいかわらず、どこにいても目立つ奴だなぁー?」
「すんません、先生!ご指導受けんで、すぐに帰りま~」
「あー待て待て!別に注意しに来たわけじゃねぇんだよ。」
「じゃあ、通りかかったんですか?」
「もっと違う。」
瑞希お兄ちゃんの言葉を否定すると、よく通る声で言った。
「転校生に、校内の案内をしてたんだ。」
「「転校生?」」
思わず、瑞希お兄ちゃんと顔を見合わせる。
「転校生って・・・東山にですか?この時期に?」
「そうだ。」
「へぇ~どんな転校せ――――――――?」
「どんな転校生か、気になる君にクーイズ!!」
「えええ!?」
聞き返した瞬間、背後から誰かに抱き付かれた
「だぁーれだぁ♪」
明るい声と共に、両手で目隠しをされる。
視界をふさがれる。
「ええっ!?だ、だ、だれだれ!?」
「ヒントー!チョコたんの大親友だぞ~?」
「は!?チョコ!?え!?まさか!?」
両目を覆う両手を掴みながら言った。
「ちーちゃん!?」
「だーい正解~!!ちーちゃんこと、幡随院長政だよぉーん♪」
「ああああ!?本当だ!?」
そこにいたのは、頭が真っ黒なちーちゃん。
前と違うのは、前髪の一部に赤いメッシュが入っていること。
「ちーちゃん、髪・・・?」
「ウェイウェイウェイ!気づいてくれた系!?心機一転でイメチェンしちゃったぁ~♪」
そう言って、横にユラユラ体を動かせば、ジャラジャラと彼を飾る装飾品がゆれる。
耳に、首に、指に、腕に、センスの良いアクセサリーをジャラジャラつけているが、間違いなく半グレ集団JAGUARのトップだった。


