「これから行うタイマンのルールは簡単だ。10カウントで倒れるまで続ける。」
「武器の使用は?」
「トンファーが頼りなんだろう?」
「素手で構わない。わざわざ、東京から来てくれたんだ。お前に選ばせてやろう。」
「じゃあ、武器はありだな。わざわざ、東京から来たんだ。自慢の演舞を見せてくれ。」
「努力しよう。」
「楽しみだ。武器を持て。」
「オス!」
幡随院の言葉を受け、外国人らしい仲間が何か持ってくる。
「ドーゾ、長政サン。」
「ご苦労。」
そう言って、側近らしい男から受け取った武器は―――――――――――
「竹刀・・・」
(それも2本。)
「宮本武蔵ですか?」
ヒュン!
「中に鉄の芯(しん)が入ってる。」
一振りしてから、涼しい口調で答えるJAGUARのリーダー。
「貴様のトンファーとぶつかり合っても、折れることはない。」
「そうみたいですね。」
「遠慮なく、本気で打ち込んで来い・・・!」
「では、遠慮なく・・・・!」
中央リング・・・といえばいいのか。
中間地点へと進む私と弐歩日の半グレ男。
近づきながら、最終確認を込めて聞く。
「10カウントと言ったが・・・降参と言う場合もあるが?」
「ああ、言っても構わないぞ?しゃべれればの話だがな?」
「とどめ刺さなくていいのか?狸寝入りされるのは嫌なんだが?」
「戦術なら、それもありだ。俺が嫌なのは『嘘をつかれること』だからな?」
「同感だ。俺も『嘘は』嫌い。」
最近く耳にする単語だと思いながら、歩みを止める。
それに合わせるように、相手も歩くのをやめる。
その場所がお互いの間合い。
攻撃が当たる最大限の位置。
「勝負と行こうか、凛道蓮?」
「不本意だが、受けてたとう。幡随院長政。」
「俺が勝ったら、龍星軍の旗はもらう。菊千代の命令にも従ってもらうぜ。」
「じゃあ、僕が勝ったら蛇塚菊千代ごと蛇の目を持って帰ってくれ。ついでに、君とは二度と戦わない。」
「いいだろう。」
「同じく。」
ヤマトが陽気なグラサンなら、こいつは不気味な赤い髪のグラサンね!
「くっくっくっ・・・!マジでやるのは久しぶりだ・・・・。」
そうつぶやくと、右手で持っていた竹刀を腰にさす。
ベルトに差し込むと、サングラスへと手を伸ばす。


