「涼子ちゃん・・・あの車で間違いないの?」
「はい!あの車で、さらうものだと――――――――!」
「勘違いするな、真面目ちゃん。」
「君は・・・」
そう言ったのは、ジオンと呼ばれた黒ジャケットの男。
蛇塚が乱暴に扱わなかった相手だ。
「連れ込む『ふり』をしただけだ。」
「『ふり』だと?」
私からの問いかけに、表情を変えることなく淡々と言った。
「だれが、そんなふしだら女を『キング』の車に乗せるかよ?」
「あー!?だれがふしだらだコラ!?」
「落ち着け、カンナ!」
「落ち着けるかよ、秀!おい、辞典だか、ジノラマダか知らねぇが、カンナはふしだらじゃねぇぞ!?なぁ、凛道!?」
「もちろんです。というか・・・『キング』って?」
カンナさんの身の潔白は当然のことだけど、ただ者じゃなさそうな相手の言葉が気になった。
「『キング』というのは、蛇塚のことじゃないな?何者だ?」
これにジオンという男は、鼻を鳴らして笑った。
見下す目で私達に言った。
「そりゃあ、喧嘩の王様のことだ・・・!」
「喧嘩の王様?」
「気をつけろ、凛道!油断したとはいえ・・・その黒い奴らは強い!」
「蛇の目とは別もんだ!喧嘩の質が違う!」
「秀君、悠斗君・・・・」
別物ということは――――――――
「どういうことだ、蛇塚・・・・!?」
真面目に語る2人、被害者の言葉を受け、蛇塚をニラみつける。
「話の流れからすると、第三の勢力が関係してるみたいだな?いや・・・ヤクザもカウントすると、四番目か・・・!?」
「くくく!いーね、その顔!可愛い顔なのに、怒ると怖いってかぁ~!?」
「冗談はやめろ。今度はなにをした?」
問いかけながら周囲を見る。
それで気がつく。
蛇塚の後ろにいたはずの仲間が移動していたことに。


