彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





「涼子ちゃん・・・あの車で間違いないの?」

「はい!あの車で、さらうものだと――――――――!」

「勘違いするな、真面目ちゃん。」

「君は・・・」





そう言ったのは、ジオンと呼ばれた黒ジャケットの男。

蛇塚が乱暴に扱わなかった相手だ。





「連れ込む『ふり』をしただけだ。」

「『ふり』だと?」




私からの問いかけに、表情を変えることなく淡々と言った。





「だれが、そんなふしだら女を『キング』の車に乗せるかよ?」

「あー!?だれがふしだらだコラ!?」

「落ち着け、カンナ!」

「落ち着けるかよ、秀!おい、辞典だか、ジノラマダか知らねぇが、カンナはふしだらじゃねぇぞ!?なぁ、凛道!?」

「もちろんです。というか・・・『キング』って?」





カンナさんの身の潔白は当然のことだけど、ただ者じゃなさそうな相手の言葉が気になった。






「『キング』というのは、蛇塚のことじゃないな?何者だ?」






これにジオンという男は、鼻を鳴らして笑った。

見下す目で私達に言った。






「そりゃあ、喧嘩の王様のことだ・・・!」

「喧嘩の王様?」

「気をつけろ、凛道!油断したとはいえ・・・その黒い奴らは強い!」

「蛇の目とは別もんだ!喧嘩の質が違う!」

「秀君、悠斗君・・・・」






別物ということは――――――――





「どういうことだ、蛇塚・・・・!?」





真面目に語る2人、被害者の言葉を受け、蛇塚をニラみつける。





「話の流れからすると、第三の勢力が関係してるみたいだな?いや・・・ヤクザもカウントすると、四番目か・・・!?」

「くくく!いーね、その顔!可愛い顔なのに、怒ると怖いってかぁ~!?」

「冗談はやめろ。今度はなにをした?」





問いかけながら周囲を見る。

それで気がつく。

蛇塚の後ろにいたはずの仲間が移動していたことに。