「凛!無茶ばっかりしやがって!心配するあたしの身にも慣れ、ばーか!」
「そんなつもりはなかったんですが~すみませんでした。というよりも!」
気になっていたことがあったので聞いた。
「どうして、みんながここにいるんですか?」
全員へ向けた質問。
理由は想像できる。
だから聞いた。
「涼子ちゃん。」
それで、カンナさんのバイクから降りた女の子が固まる。
「僕は、『しゃべっちゃいけない』って言ったよね?」
「り、凛君・・・私は――――――――」
(やっぱり、我慢できなくてこの子がみんなに話して・・・)
「おい、あの女!」
ふいに、敵の方から声が上がる。
「果し状渡したダサ女じゃねぇか!?」
たくさんいる黒ジャケットのうちの1人が叫んだ。
それで、蛇塚の視線が涼子ちゃんへ移る。
「なんだとぉ!?テメーが円城寺達にばらしたのか!?」
憎しみを込めた目で、一般人を怒鳴る蛇の目の頭。
「黙ってないで、なんとか言えよドブス!高千穂同様、良い女の趣味してるな、凛道!?」
「なんだと?」
聞き捨てならなくなり、こちらも暴言を吐いてやろうとしたら。
「蛇塚は負け犬。」
「え?」
「なっ!?」
「負け犬!凛君に勝てないくせに、口ばっかりのダサくてカッコ悪い、恥ずかしい負け犬ヤクザ候補っ!!」
「涼子ちゃん!?」
(見た目に反してひどい発言した!?)
予想してなかった人物の罵声に、全員が黙る。
しかし、すぐにうるさくなった。
「だ、誰が、なんだってドブス!?」
「だからなんです!?本当のことでしょう!?私みたいな、ヤンキーと縁がない子だって、みんな知ってますよ!?蛇塚菊千代は、凛道蓮に勝てない卑怯者で、身の程知らずだって!恥ずかしくないんですか!?いいえ、恥ずかしい心がないからこんなことできるんでしょう!?」
「なっ、なっ、なっ!?」
涼子ちゃんの言葉に、どんどん赤くなっていく蛇塚。
「人が下手に出てりゃ、調子に乗りやがって~!?殺すぞくそドブスっ!?」
「―――――――涼子に手を出せば、俺がお前を殺すっ!!」
さすがにまずいと思い、涼子ちゃんの側へと駆け寄りながら私も相手を威嚇する。
「凛君!?」
「さがって、涼子ちゃん!」
彼女を背後にかばいながら言った。


