彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)






「凛!無茶ばっかりしやがって!心配するあたしの身にも慣れ、ばーか!」

「そんなつもりはなかったんですが~すみませんでした。というよりも!」





気になっていたことがあったので聞いた。





「どうして、みんながここにいるんですか?」





全員へ向けた質問。

理由は想像できる。

だから聞いた。





「涼子ちゃん。」





それで、カンナさんのバイクから降りた女の子が固まる。





「僕は、『しゃべっちゃいけない』って言ったよね?」

「り、凛君・・・私は――――――――」






(やっぱり、我慢できなくてこの子がみんなに話して・・・)




「おい、あの女!」






ふいに、敵の方から声が上がる。





「果し状渡したダサ女じゃねぇか!?」





たくさんいる黒ジャケットのうちの1人が叫んだ。

それで、蛇塚の視線が涼子ちゃんへ移る。





「なんだとぉ!?テメーが円城寺達にばらしたのか!?」





憎しみを込めた目で、一般人を怒鳴る蛇の目の頭。





「黙ってないで、なんとか言えよドブス!高千穂同様、良い女の趣味してるな、凛道!?」

「なんだと?」





聞き捨てならなくなり、こちらも暴言を吐いてやろうとしたら。





「蛇塚は負け犬。」


「え?」

「なっ!?」


「負け犬!凛君に勝てないくせに、口ばっかりのダサくてカッコ悪い、恥ずかしい負け犬ヤクザ候補っ!!」

「涼子ちゃん!?」



(見た目に反してひどい発言した!?)





予想してなかった人物の罵声に、全員が黙る。

しかし、すぐにうるさくなった。





「だ、誰が、なんだってドブス!?」

「だからなんです!?本当のことでしょう!?私みたいな、ヤンキーと縁がない子だって、みんな知ってますよ!?蛇塚菊千代は、凛道蓮に勝てない卑怯者で、身の程知らずだって!恥ずかしくないんですか!?いいえ、恥ずかしい心がないからこんなことできるんでしょう!?」


「なっ、なっ、なっ!?」





涼子ちゃんの言葉に、どんどん赤くなっていく蛇塚。





「人が下手に出てりゃ、調子に乗りやがって~!?殺すぞくそドブスっ!?」

「―――――――涼子に手を出せば、俺がお前を殺すっ!!」



さすがにまずいと思い、涼子ちゃんの側へと駆け寄りながら私も相手を威嚇する。





「凛君!?」

「さがって、涼子ちゃん!」





彼女を背後にかばいながら言った。