私がヤマトの知名度の低さを気の毒に思っている間に、もう一人の仲間が車へと駆け寄る
「大丈夫か、吾妻!?長谷部!?」
「か、可児・・・!」
「お前らもきたのかよ・・・?」
「おお、そやった!そやった!お二人さん、助けにきたでぇー!今、縄ほどいたるわ!」
可児君達のやり取りを聞き、ポンと手を叩きながら同じように近づくヤマト。
しかし、それを周囲は許さなかった。
「て、てめぇー!よくもやりやがったな!?」
「トキオのカタキ!!」
「なんやねん?先にしたのは、そっちやんかー!?」
「黙れグラサン!」
「これ以上、勝手はさせねぇぞ!」
「そりゃあ―――――――――こっちのセリフだ、ボケっ!!」
ギュワアア!!
甲高い声と一緒に、円城寺君が出てきた倉庫側の違う路地から飛び出してきたピンクの単車。
「う、うわ!?アクセルターン!?」
「オラ!今だ!さっさと助けろっ!!」
2台の車の周りを、グルグルと回るピンクのバイクに乗っていたのは――――――
「カンナさん!!」
龍星軍紅一点の高千穂カンナさんだった。
「カンナさんっ!」
「聞えてんだよ、ばか!」
私の声に気づいたカンナさんが、アクセルターンで敵を遠ざけながら叫ぶ。
「凛!!あたしらに内緒で、勝手に1人で動いてんじゃねぇーぞ!?」
「す、すみません!それはそうなんですがー!」
「きゃーきゃー!めがまわるぅ~!?」
「あなたが後ろに乗せてる子は、何ですかっ!?」
「り、凛君!!」
カンナさんと同じガラのスカートをはいている女子がいた。
誰だかわかっていたので叫ぶ。


