「黙れってんだよ!クソババア!」
そう言った円城寺君と目が合う。
すると彼は、声のトーンを落としながら言った。
「よぉ!わりぃけど、律儀な同級生を送ってやってくんねぇーか!?」
「はあ?テメーで送れば・・・え?この子?」
(この人が、お母さん・・・・)
絶対に元ヤンだ・・・・
〔★説得力のある姿だった★〕
「なになに、カンナちゃん!?新しく勧誘したの~?」
「い、いや、そういうわけじゃ~つーことで、あたしからも頼みます!送ってやってください!」
「よかったな、小林。この人が家まで送ってくれるぜ?」
「え!?それはちょっと・・・!」
親への説明に困る・・・
〔★まっすぐ帰れば、嘘もバレる★〕
「わ、私!1人で帰れますから~」
「えーここらへん、治安が悪いよ?おばちゃんが送ったげるって!」
「で、でも!」
「じゃあ、任せたぜ、おふくろ!」
ギュルルルッ!
そう言うと、エンジンをかける円城寺君。
「あ、あの!」
「見舞いの品、サンキューな!」
「気いつけて帰れよ?」
「つーか、おばちゃんに気をつけろってかー?」
「コラカンナ!」
「きゃ!?」
「うはははは!ほれ―怖がってるやん?」
「今のは、その子に言ったんじゃないよ!?」
「うははは!心配やなぁ~ホンマ!」
「あ、あの・・・?」
そう言いながら、各自のバイクにまたがる龍星軍のみなさん。
ドゥルルルル!!
「あばよ、小林!」
「協力、感謝するぜ!」
「うははははは!ほなシュッパーツ!」
ギュワアア!!
ゴワァァァァ―ン!!
キュォオオオオン!!
爆音がなり響き、私の前を通過していく。
バサッ!
「きゃあ!?」
スカートがめくれ、普段は風が当たらない場所が涼しくなる。
「きゃああああ!?」
ゆれす視界と足場。
「って、コラぁぁぁぁぁ!!?なにしてんだぁー!!?」
大音量で怒鳴る円城寺君のお母さんの声が、遠くで聞えた気がした。


