彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「黙れってんだよ!クソババア!」



そう言った円城寺君と目が合う。

すると彼は、声のトーンを落としながら言った。





「よぉ!わりぃけど、律儀な同級生を送ってやってくんねぇーか!?」

「はあ?テメーで送れば・・・え?この子?」


(この人が、お母さん・・・・)


絶対に元ヤンだ・・・・



〔★説得力のある姿だった★〕



「なになに、カンナちゃん!?新しく勧誘したの~?」

「い、いや、そういうわけじゃ~つーことで、あたしからも頼みます!送ってやってください!」

「よかったな、小林。この人が家まで送ってくれるぜ?」

「え!?それはちょっと・・・!」



親への説明に困る・・・



〔★まっすぐ帰れば、嘘もバレる★〕



「わ、私!1人で帰れますから~」

「えーここらへん、治安が悪いよ?おばちゃんが送ったげるって!」

「で、でも!」

「じゃあ、任せたぜ、おふくろ!」





ギュルルルッ!





そう言うと、エンジンをかける円城寺君。





「あ、あの!」

「見舞いの品、サンキューな!」

「気いつけて帰れよ?」

「つーか、おばちゃんに気をつけろってかー?」

「コラカンナ!」

「きゃ!?」

「うはははは!ほれ―怖がってるやん?」

「今のは、その子に言ったんじゃないよ!?」

「うははは!心配やなぁ~ホンマ!」

「あ、あの・・・?」





そう言いながら、各自のバイクにまたがる龍星軍のみなさん。


ドゥルルルル!!





「あばよ、小林!」

「協力、感謝するぜ!」

「うははははは!ほなシュッパーツ!」





ギュワアア!!

ゴワァァァァ―ン!!

キュォオオオオン!!





爆音がなり響き、私の前を通過していく。






バサッ!


「きゃあ!?」





スカートがめくれ、普段は風が当たらない場所が涼しくなる。






「きゃああああ!?」





ゆれす視界と足場。





「って、コラぁぁぁぁぁ!!?なにしてんだぁー!!?」





大音量で怒鳴る円城寺君のお母さんの声が、遠くで聞えた気がした。