彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「お前・・・いつ、受け取ったんだ?」

「・・・あなたが、救急車に乗せられた直後です、円城寺君・・・」

「だから、あの時、オメーはー!?」

「見捨てて逃げたんじゃないんです。」





目を見開く相手を見ながら言った。





「怖くて、動けなかったのは確かですが・・・・逃げたんじゃないです。」





誤解されても仕方ない行為。

でも、凛君が関係してるなら―――――





「早く、知らせなきゃって、思ったから、私・・・・!」





放置してしまった。





「け、警察にもまだ言ってなくて!目撃証言とかしてなくて、私は・・・!」





そこまで言ったら、急に彼を見ていられなくなった。

いびつなタイルの地面を見ながら告げる。





「助けてくれた人を、円城寺君を見捨てるような真似を・・・してしまいました・・・!本当にごめんなさい!!」

「お前は悪くない。」





私の謝罪に、円城寺君ではない声が答える。





「高千穂さん・・・!?」

「ちゃんと見たぜ、小林。」





指でメッセージカードを、トントンと叩きながら彼女は言う。





「敵も手の込んだことをしてくれたが、あたしらの先輩の方が一枚上手だったみてぇだな?」

「同感だ!さすが、凛さんを育てただけのことはあるぜ!」

「うはははは!凛がおったら、育ててもらった覚えはあらへん言うけどなぁー?」

「あ、あのみなさん、お静かに!どこで敵が聞いてるか~!」

「聞かせるかよ。」





興奮する3人に言えば、バイクにまたがっている人が言った。





「こいつは、口に出すしろもんじゃねぇ。ただの見舞いとわびの手紙・・・そうだろう、小林?」

「円城寺君。」

「怒鳴って悪かったな。おかげで、感謝感激で大助かりだ・・・!」





そう語る眼がギラリと光った時だった。






「ちょっと、大河~さっきからうるさいよ!?出かけるの!?」





その言葉に合わせ、玄関の扉が開く。

逆光で見えないが・・・





「うるせぇ、ババア!流すだけだ!」

「なによ~バカ息子!瑞希先輩にぃ~あんまり構ってもらえなかったからぁ~イライラしてんでしょー?」




円城寺君のお母さん・・・?



〔★凛にお弁当のデリバリーを頼んだ大河の母だ★〕