彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)






何度思い出しても腹が立つ。





「動くな、円城寺!」

「きゃあ!?」

「てめ!?」

「硬派のお前が、一般人に怪我はさせないよな~?」

「この野郎~!」





抵抗すればよかった。

その直後、背後から鉄パイプで円城寺君は殴られた。





(私はそれを、震えながら見てるしかなかった・・・)






いつ、人質から解放されたのかも覚えてない。

それぐらいショックで―――――





「彼女、これ、凛道蓮君に渡してね?」





そう言って、果し状を渡され、やっと正気に戻れた。





「しっかりしろ、大河!」

「くそ・・・仲間でもないのに、『あの馬鹿』のがうつったぜ・・・!」

「凛さんの悪口かボケ!?くそ!長谷部と吾妻が連れてかれた!追いかけねぇと!」

「やめなさい、君達!出血がひどいんだから、早く救急車に乗りなさい!」





救急車で運ばれる円城寺君と可児君と、付き添う高千穂さんを目で追っただけ。

立ち尽くして、見送ることしかできなかった。





(そのあとは無我夢中で・・・・凛君がいるっていう『Felicita(フェリチータ)』というお店を探して、やっと再会できて・・・!)





直接手渡せば、その場で中身を確かめる凛君。

果し状の内容を知り、絶対危ないと思った。





(あんなことをする人達が、旗と交換で長谷部君と吾妻君を返すなんて思えない!蛇の目が凛君を憎んでること、私みたいな子でも知ってるんだから!)





止めたけど、彼は行くと言った。

私に見せる笑顔とは違う、漢の顔だった。

止められない。

このままじゃ、彼1人だけが危険な目にあう。





(それをさけるためにも―――――――――これしか方法がない!)





勇気を出して、円城寺の表札が出ている玄関に入る。