何度思い出しても腹が立つ。
「動くな、円城寺!」
「きゃあ!?」
「てめ!?」
「硬派のお前が、一般人に怪我はさせないよな~?」
「この野郎~!」
抵抗すればよかった。
その直後、背後から鉄パイプで円城寺君は殴られた。
(私はそれを、震えながら見てるしかなかった・・・)
いつ、人質から解放されたのかも覚えてない。
それぐらいショックで―――――
「彼女、これ、凛道蓮君に渡してね?」
そう言って、果し状を渡され、やっと正気に戻れた。
「しっかりしろ、大河!」
「くそ・・・仲間でもないのに、『あの馬鹿』のがうつったぜ・・・!」
「凛さんの悪口かボケ!?くそ!長谷部と吾妻が連れてかれた!追いかけねぇと!」
「やめなさい、君達!出血がひどいんだから、早く救急車に乗りなさい!」
救急車で運ばれる円城寺君と可児君と、付き添う高千穂さんを目で追っただけ。
立ち尽くして、見送ることしかできなかった。
(そのあとは無我夢中で・・・・凛君がいるっていう『Felicita(フェリチータ)』というお店を探して、やっと再会できて・・・!)
直接手渡せば、その場で中身を確かめる凛君。
果し状の内容を知り、絶対危ないと思った。
(あんなことをする人達が、旗と交換で長谷部君と吾妻君を返すなんて思えない!蛇の目が凛君を憎んでること、私みたいな子でも知ってるんだから!)
止めたけど、彼は行くと言った。
私に見せる笑顔とは違う、漢の顔だった。
止められない。
このままじゃ、彼1人だけが危険な目にあう。
(それをさけるためにも―――――――――これしか方法がない!)
勇気を出して、円城寺の表札が出ている玄関に入る。


