彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)







「お願いです、オネェさん!凛君1人で行かせるなんて、やっぱり納得できません!他のみなさんに知らせて下さい!」

「ダメよ。」





私のお願いを、相手はあっさりと却下する。





「涼子ちゃんね、族には族のルールがあるの。」

「暴走族の・・・決まりですか?」

「売られた喧嘩は買い、売った喧嘩は買わせる。悪質なバカになれば、敵の仲間をさらうぐらいして当たり前。」

「あなたは、誘拐することはおかしくないと言うのですか!?」


「なわけねぇだろう。」


「っ!?」





正面を見ていた顔が私を見る。

細めた目で、口の橋だけあげて笑う。

メンズモデルみたいな顔が、オネェさんの口調が、『男』に見えた。





「相手の大事な物を奪ってまで勝とうって根性、あたしらは気に入らない。」

「え?でも、今の話は・・・」

「ヤンキーの一般論よ。邪道だとあたしらは思うけどね。」

「あたしらというのに・・・凛君も含まれてますよね?」


「当然よ。初代が教えたわけじゃないのに、自分で『硬派』をしてるからね。」





そう言ってくれた時、相手は元の表情に戻っていた。

ニコニコしながらオネェさんは言う。





「これがねぇ~タダのやんちゃ集団なら無茶してもいいんだけど、そうもいかないのよね。」

「え?」

「相手はヤクザの身内を持ってるから、うかつに刺激すると捕まった2人がなにされるかわからないからねぇ~」

「ヤクザ!?」





出てきた反社会的な言葉を聞き返す。





「ヤクザ予備軍じゃないんですか?」

「パンピーの子なら、そう思ってるでしょうね~悪いけど、最近になってヤクザも乗って方向になっちゃったのよ。」

「そ、そうでしたか・・・いろいろあるんですね、不良の世界って。」

「ほーんと、どこかのカワイコちゃんのおかげよ~」

(誰だろう??)



〔★涼子が助けを求めた相手だ★〕



オネェさんの話を聞き、現実を理解する。





「やくざ者の集団が相手なら・・・凛君は一人で立ち向かうしか方法がないんですね・・・。」

「口止めされてるしね~」

「言っちゃダメ・・・ですよね・・・?」

「そう書かれてたでしょう、眼鏡ちゃん♪だから~言わなければいいのよ?」

「え?」

「『言葉』じゃなくても、伝わることってあるじゃない?」





その言葉に合わせて、車道で車が止まる。

前を見れば、信号が赤になっていた。