彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)







夏場は、日が暮れるのが遅い。

オレンジ色が長かった空が、薄暗く変わり始めていた。





「ごめんねぇ~すぐ使える車がこれしかなくてぇ~」

「い、いえ・・・お気遣いなく・・・・」

「ありがとぉ~!これ、レンタル車なのよねぇ~今年の夏の夜店専用で使うように借りた車でぇ~その移動で使ってるのよん♪」


(カッコいい人なのに・・・残念だわ・・・・)





助手席の私に常に話しかけているのは、モデルとも俳優とも言っても通用するぐらいの美形の男の人。





(でも、凛君が言うには、『女性』らしいんだけど・・・)



この八頭身と、とろんとしそうな目力。



(しゃべり方からして、オネェさん・・・?)



ニューハーフ?

おかま?




―「おかま」とだけは、絶対に言ったらだめだよ。―





別れ際、そっと私の耳元でささやいた凛君。





(わざわざ、教えてきたということは、言ったらアウトってことよね・・・?)



「あの。」

「ねぇ。」





声を出したら、相手も口を開いた。

お互いに対して、同時に呼びかけていた。





「あら、ごめんね~お先にどうぞ♪」

「い、いえいえ!ここは、目上の方が~お先にどうぞ。」

「まぁ、謙虚な良い子ね~凛ちゃんと似てるかも。」



メンズモデルのような顔で女性言葉をしゃべられ、愛想笑いをするので精いっぱい。



〔★涼子はとまどっている★〕



「それじゃあ~お言葉に甘えて、モニカちゃんから聞いちゃうねー?」

「ど、どうぞ、どうぞ!」

「凛ちゃんが心配?」

「っ!?」





その言葉で、うつむいていた顔を相手に向ける。

何を考えてるか読み取れない顔で、私を見つめていた。

でも、オネェさんの瞳がとても優しかった。

怖くなかった。

だからすぐに返事で来た。





「心配です!」





運転手であるオネェさんに言った。





「凛君が強いのは知ってますが、彼は優しすぎます!」

「優しすぎると心配なの?ケンカしに行くだけよぉ~?」

「だから心配なんです!凛君・・・仲間が人時にされていたら、本気で戦えないと思うんです。」


―涼子ちゃん―




地味でダサくて、パッとしない私にも優しいヤンキーの王子様。





「人質を盾に、無抵抗にでも持ち込まれたら・・・・!」





想像しただけで、目の前が真っ暗になる。





「絶対、危ないです!」





最悪の事態を思い、隣にいるオネェさんに訴えた。