彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)






「そいつらが、オメーのせいでさらわれたのもわかってんだろう?」

「一番の心当たりはそれですね。」

「奪い返しに行くのか?」

「蛇の目はどこですか?」

「警察に聞くやつがあるか!」

「知らないんだったら、僕は失礼します。」





会釈してバラさんに背を向ける。

これに相手は動くことなく、口だけ動かした。





「おーい、探すあてでもあるのか?1人でなにが出来る?」

「出来ることをします。」





追ってこなかったので、やり過ごせたとは思った。

目の前の十文字の廊下を右へと曲がる。

彼らの視界から消える。

私が見えなくなったところで、病院の廊下に取り残された刑事コンビが騒ぎ出す。





「あー!?行っちゃったじゃないですか!?いいんですか、バラさん!?」

「坊やが動くまで、待つしかないだろう?」





文句を言う部下にベテランがため息交じりに言う。

この場で凛道蓮を追うことをあきらめたとわかる態度だった。

そんなベテラン刑事に、若いエリートが声を荒げる。





「それでは、捕まった少年達の早期救出が出来ないじゃないですか!?いくら龍星軍でも、一般生徒をかばってますし、被害者ですよ!?」

「ほお、ヤンキーの心配をするのか?」

「しますよ!法律でさばいて、更生させなければいけませんからね!凛道蓮だって、1人で動き回られるよりも、こちらで身柄を確保した方がいいですよ!?」

「『弁才天』ってレディースわかるか?」

「は?あ、『弁才天』という女の不良のチームですか?」

「『弁才天』が龍星軍と同盟を結んだ。」

「げ!?本当ですか!?」

「ああ、凛道は一人じゃ動かない。必ず、『弁才天』を頼る・・・!」

「女に頼るって、最低ですね!」

「ばか!甘えるぐれーでねぇと、女も気分を良くしないだろう?」




(そういうことです。)





帰ったと見せかけ、曲がったところで立ち止まっていた私。

盗み聞きした内容に笑みを浮かべると、今度こそ本当にその場から離れる。

携帯を取り出してボタンを押した。