「あなたこそ、お見舞いですか?フジバラさん?」
「刑事が病院にいるのは、事情聴取かヘマ(失敗)した時だ。」
「そういうことで、凛道蓮君!署まで同行を~!」
「できねぇんだよ、馬鹿!」
漫才を見せるコンビに、貴重な時間が削られるとわかる。
私が歩いてきた方を見ながら、おじさんは言う。
「円城寺も可児も、1時間ぐれーで勝手に退院だ。」
「自主的に退院していいんですか?」
「喧嘩なれして平気だろう!鉄パイプでやられても、受け方がわかってる。しっかし、まさか『男の仲間』が誘拐されるとはなー」
「凛道蓮!君はこれから、犯人に会いに行くんじゃないのか!?我々に協力した方が身のためだぞ!?」
「行ければ行きますよ。警察は、犯人が誰かまだわかってないんですか?」
「バラさん、署まで連行した方が・・・!」
「それをするための決め手がねぇって言ってんだろう!凛道、桃山女学院での件といい、目立ちずぎだぞ!?」
「僕は目立ちたくないんですけどね。」
「へっ!まるで、静かにしていたみたいな言い方だな!?」
「最初からそうですよ。」
挑発する少年事件課の警部に冷たく言い放つ。
「僕はただ、友達と楽しく遊びたいだけです。夜更かししたり、コンビニの前でたむろしてみたり、バイクに乗ったり。」
「それ暴走族にならなくてもできるんじゃないか!?我々を馬鹿にしてるんだろう!?」
「そりゃあ俺のセリフだっ!!」
男モードで、若い刑事を怒鳴りつける。
「昭和の刑事は、靴底すり減らして犯人捜しをしたってのに、平成のおまわりさんは何してるっ!?未成年が2人もさらわれてんだぞっ!?」
「うっ!?」
「わかってんじゃねぇか、坊や。」
ニンマリと笑う刑事は、やっぱり、したたかだと思う。


