「桐壺先輩?」
「なんやなんや、急に大声出して??なんで謝るねん??」
「・・・・・おわびしなければいけないだけのことを、わたくしがしたからです。」
「「いけないこと??」」
(心当たりないんだけどな・・・・?)
ヤマトと2人で顔を見合わて、首をかしげる。
そんな私達に、頬の染まった彼女は言った。
「あなた様を試すために、恥ずかしめの言葉をかけたこと、お許しください。」
「試す?」
「彼女が・・・一之瀬ますみさんが、性同一性障害であることは、一部の生徒は知っていました。私もです。」
「そうだったんですか?」
「ただ・・・やはり、しきたりを気にされる方は、一之瀬さんの在学を快く思っておらず・・・以前から退学をすすめる話も出ていました。」
「そんな!?ますみちゃんを退学!?」
「今回のことは、そういった方々の意見が尊重されるのに十分でした。」
「ま、待ってください!まさか、ますみちゃんは僕のせいで~」
「ご安心下さい。先ほど、理事を交えた保護者会でも決まったのですが、今後とも、本校のミス・桃山女学院のプリンセスでいることが認められました。」
「本当ですか!?」
「はい、思っていた以上にすんなりと認められ・・・わたくしも、正直意外でした。あれほど、強く一之瀬さんのことを否定していた方々が・・・柔和な態度を見せられまして。みなさま、凛道様のお言葉に心を動かされたのでしょう。」
「桐壺先輩。」
「『聖歌』で、ようございますよ、『凛道様』。わたくしも、あなたさまのおかがで、『ツッパリ』の方への考えが変わりました。」
「え!?」
「凛道様、どうか・・・一之瀬さんと仲良くしてください。優しくしてあげて下さいね?」
そう言って立ち上がると、私の両手を白い手で握りしめる綺麗な人。
「一之瀬さんが凛道様に好意を持たれたように、わたくしも・・・はしたないですが、とても尊敬したしますわ。」
「そ、尊敬というのは、いいすぎですよ、桐壺先―!?」
「『聖歌』です。」
「せ、聖歌先輩。」
キレイな目で言われて、思わず相手に言いなりになる。
これに満足そうに微笑む副生徒会長。


