彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





集まると言うので、どこかの公園を想像していた。

しかし、相手が桃山女学院の生徒ということを忘れていた。

真夏の太陽の下に、つどうはずがない。





「本日はお忙しい中、およびたてをして申し訳ありません。この度は、本校の生徒が大変失礼をいたしました。」

「うはははは!気にせんといて、桐壺ハン!なぁ、凛!?」

「ええ、お気遣いなく・・・・」





目の前に座る女性に圧倒される。





「見てぇ~あの方よ!お姉様・・・・!」

「桃山女学院高等部の桐壺様、今日も素敵ね・・・!」





周りを取り囲む女子の会話が耳に届く。

連れてこられたのは、桃山学院女子の敷地内にある生徒用の来賓をもてなすための場所。

真っ赤な笠が斜めに刺さった座敷に、美しい黒髪を下ろした先輩と向かい合わせに座っている。

そんな私達を守るように、黒服スーツの男性が四方を囲んでいる。





「わたくし、桃山女学院高等部の生徒会副会長を務める桐壺聖歌(きりつぼせいか)でございます。」

「あ、ご丁寧にすみません。凛道蓮です。」

「お話は、五十嵐殿よりうかがっております。本当に、一之瀬さんを守って頂き、ありがとうございました。」

「いえ、僕より・・・ますみちゃんは、学校は大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫ではありません。」

「そうですか、大丈夫・・・・じゃないんですか!?」

「はい。」





そう言って、緑茶を口に運ぶ優雅な先輩。





「あれから県警の方がいらして、大騒ぎでした。あなたが一之瀬さんを誘拐したと見方もありましたが、あの場の流れからして、守るために連れて言って下さったと・・・説明しておきました。」

「あ、ありがとうございます!僕よりも、ますみちゃん・・・ますみさんが気になっていましたので。」

「わたくしも気になっておりました。結果的に送り出してしまったのですから、無事に返してくださるかどうか。」

「返しますよ!誘拐犯じゃありませんから。」

「正義の味方とは言い切れる振る舞いではありませんでしたね?」

「そりゃあ、僕は正義の味方ではありません。」

「凛道殿のことは、『暴走族』と、うかがいますが?」





ゴトと、音を立てて彼女が湯呑を置く。

その目は、厳しく私を見ていた。