彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「冗談じゃねぇ!!タイマンの途中ではあるが、あたしは一方的に、無抵抗の奴らをいたぶる趣味はねぇぞ!?」

「そうですよ。ついでに言わせてもらうと、はすみさんとカンナさんのタイマンは『引き分け』ということで、以後は禁止です。」

「「はあ!?」」

「これは総長命令だから・・・いいな、カンナ?」

「けっ!命令する時だけ、呼び捨てかよ・・・!」

「返事は、カンナ?」

「・・・・・あたしは従うが、頑固なお姉ちゃんが応じるかー?」

「なっ!?馬鹿にすんな!それが凛道さんの望みなら―――――――引き分けだ!」





そう言ってにらみ合う女性2人。

ヤンキーの女の子は怖いと思う。



〔★凛も、一応あてはまる★〕



「ということで、ますみちゃんが傷つくのでお断りです。」

「ですが!」

「はすみさん、あなたも仲間まとめて、頭を務めてる人でしょう?信念を通すのはいいですが、相手が望んでいないことを押し付けるのは、ケジメじゃないです。あなたのエゴだ。」

「エ、エゴだぁ!?」

「あなたとは、数えるほどしか会ってませんが、それでもわかりますよ。」

「あたしが、エゴイストだと言うんですか・・・!?」

「美徳を大切にするということです。」

「え!?」

「ターゲットを倒すよりも仲間の身柄を優先し、妹さんを守るために悪役にだってなる。なによりも・・・仲間を巻き込まないために頭を下げるあなたのために、あなたの仲間が自分の身を差し出そうとしている。」

「なっ!?あたしは、当たり前のことしかしてない!褒めて誤魔化す気なら、あたしに通用――――!」

「通用するはずないです。ただ、はすみさん・・・あなたを例えるとしたら、僕は美徳のある人としか言えない。『美』しく、他の人を大切にして愛する『徳』を持っていますからね。」

「り、凛道蓮、さん・・・」

「『弁才天』のみなさん、君達は人を見る目があります。良い総長さんだからこそ、覚悟を決めてここに来たんですよね?大好きじゃなきゃ出来ないことだと思いますか?」




私の問いかけに、はすみさん以外の弁才天が互いに顔を見合わせる。




「違いますか?」

「・・・違いません。」





答えたのは、【副総長】と刺繍された特攻服を着てる女性。