「冗談じゃねぇ!!タイマンの途中ではあるが、あたしは一方的に、無抵抗の奴らをいたぶる趣味はねぇぞ!?」
「そうですよ。ついでに言わせてもらうと、はすみさんとカンナさんのタイマンは『引き分け』ということで、以後は禁止です。」
「「はあ!?」」
「これは総長命令だから・・・いいな、カンナ?」
「けっ!命令する時だけ、呼び捨てかよ・・・!」
「返事は、カンナ?」
「・・・・・あたしは従うが、頑固なお姉ちゃんが応じるかー?」
「なっ!?馬鹿にすんな!それが凛道さんの望みなら―――――――引き分けだ!」
そう言ってにらみ合う女性2人。
ヤンキーの女の子は怖いと思う。
〔★凛も、一応あてはまる★〕
「ということで、ますみちゃんが傷つくのでお断りです。」
「ですが!」
「はすみさん、あなたも仲間まとめて、頭を務めてる人でしょう?信念を通すのはいいですが、相手が望んでいないことを押し付けるのは、ケジメじゃないです。あなたのエゴだ。」
「エ、エゴだぁ!?」
「あなたとは、数えるほどしか会ってませんが、それでもわかりますよ。」
「あたしが、エゴイストだと言うんですか・・・!?」
「美徳を大切にするということです。」
「え!?」
「ターゲットを倒すよりも仲間の身柄を優先し、妹さんを守るために悪役にだってなる。なによりも・・・仲間を巻き込まないために頭を下げるあなたのために、あなたの仲間が自分の身を差し出そうとしている。」
「なっ!?あたしは、当たり前のことしかしてない!褒めて誤魔化す気なら、あたしに通用――――!」
「通用するはずないです。ただ、はすみさん・・・あなたを例えるとしたら、僕は美徳のある人としか言えない。『美』しく、他の人を大切にして愛する『徳』を持っていますからね。」
「り、凛道蓮、さん・・・」
「『弁才天』のみなさん、君達は人を見る目があります。良い総長さんだからこそ、覚悟を決めてここに来たんですよね?大好きじゃなきゃ出来ないことだと思いますか?」
私の問いかけに、はすみさん以外の弁才天が互いに顔を見合わせる。
「違いますか?」
「・・・違いません。」
答えたのは、【副総長】と刺繍された特攻服を着てる女性。


