彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





「そういうわけなので、ますみちゃんをどうこうする気はありませんよ。もちろん、はすみさんを含む『弁才天』のみなさんもです。」

「凛道蓮さん!?」

「蓮君、お姉ちゃんも許してくれるの!?」

「『も』だとぉ~!?」

「カンナ、顔が怖い!」

「てことは、一之瀬ますみちゃんも許したのか、凛君?」

「凛さん、人がよすぎますよ!」

「けっ!つくづくお人好しだな、凛道!?」

「うははははは!そこが凛のええとこやんか!めでたし、めでたしぃ~!で、よかっ~」

「よくねぇっ!!」

「お姉ちゃん?」

「よくねぇっすよ、凛道さん!」

「へ?」





こぶしをにぎりしめた、はすみさんが、私に詰め寄りながら叫ぶ。





「あたしは、凛道蓮さんの命を狙ったんだ!殺そうとしたんだぞ!?」

「でも、謝ってくれたじゃないですか?」

「そ、それは――――――・・・・虫の良い話かもしれないが、あんたがますみのために体張って、怒ってくれた姿に、心を打たれて・・・」

「じゃあ、いいじゃないですか。」

「よくないっ!!あたしは、つくづく思い知らされたんだ!どれだけ、自分の器が小さくて、最低な人間だったか!あたしの気が済まないんだ!!」

「はすみさん。」

「覚悟は出来てる!さぁ、遠慮はいらねぇからヤキを入れてくれ!!」





両手を広げながらしつこく食い下がる女総長。

そういうところが、姉妹でそっくりだと思いながら言った。





「できません。」

「なんでだよ!?男も女も関係ないだろう!?」

「関係ありますよ。言い方は違いますが、僕も兄弟愛は強いです。ブラコンですが、シスコンのはすみさんの気持ち、痛いほどわかりますから。」

「だけど!!」

「なによりも、そんなことをしたらますみちゃんが悲しみます。ますみちゃんだって、お姉さんやその仲間達が僕にどうこうされるのは嫌ですよね?」

「嫌よ!!」





予想通り、即答でますみちゃんは答えてくれた。





「お姉ちゃん、みんなも!蓮君は、女の子を殴ったり蹴ったりできる人じゃない!」

「そんなことはない!無抵抗のあたしらを、高千穂カンナに凹ってもらう方法もある!」

「あたしを巻き込むな、ボケ!!」

「そうきますか!?」





〔★盲点をつく方法だった★〕