「僕はますみちゃんの恋人になれない。だからいつの日か、ますみちゃんのことを本当に好きになってくれた人が見つかってから、本当のペアリングを2人で買って指にはめて下さい。」
「・・・蓮君・・・!?」
「それまで、悪い男に引っかからないように――――――おまもり。」
彼女の手からペンダントをすくい上げると、留め金を取ってますみちゃんの首につけた。
「あ・・・」
「大事なのは、値段よりも似合うかどうかですね。」
カチャとつけて、ペンダントから手を離す。
それは彼女の胸で揺れる。
「はい、OK!可愛いですよ、ますみちゃん。」
「蓮、くん・・・・!」
褒めれば、嬉しかったのか、顔を真っ赤にするますみちゃん。
「本当に・・・可愛い?」
「可愛いですよ。」
「蓮君て・・・・ホント、悪い時があるよね・・・!?」
「ヤンキーですからね?」
そう言った時、風が吹いた。
熱くはない、冷たい風。
海の近くだと、こんなに暑い日でも涼しい風が吹くのかと思う。
少し、肌寒さを感じたので、赤い顔のますみちゃんに言った。
「ますみちゃん、そろそろ帰りましょうか?送ります。」
「ま、待って!まだ帰るのはー」
「ご両親が、特にお姉さんが・・・・心配してるはずです。」
「そ、そうだけど!ますみ、お礼が言いたいから・・・」
「それは聞きましたよ?」
「違うよ!この可愛い服をくれた人に・・・」
「モニカちゃん?」
「そう!その人も、ますみと・・・・・・・・同じなんだよね?ますみ・・・少し話をしたいの・・・教えてほしいと言うか・・・」
「!?ああ・・・そうですね・・・」
確かに、モニカちゃんの方が女の子歴(?)は長いもんね。
今後、社会で生きていく上で、ますみちゃんの参考になるはずだ。
「じゃあ、顔合わせをしてから送りますね。」
「ありが・・・きゃ!?」
「あぶない!」
砂に足を滑らせたますみちゃんの体が、カクンとかたむく。
倒れそうになる。
それをとっさに抱きとめて支える。
「気をつけて。砂は足がとられやすいですよ?」
「う、うん。」
「帰りましょう。」
「うん・・・・!」
ギューと手を握られる。
そんなにコケるのが怖いかと思いつつ、バイクの側まで手をつないで歩いた。


