日差しが強いが、晴天の空は心をいやしてくれた。
「今日は、雲一つなくていいですね。」
「日焼けしちゃうよ。」
「こんがり焼き上がったますみちゃんも、可愛いと思いますが?」
「もぉ~変な表現しないでよぉ~!」
クスクスと笑うますみちゃんに、元気になったとホッとした時だった。
「どうして?」
「え?」
「どうしてなの?」
笑顔をひっこめて、ますみちゃんが真面目な顔で聞いてきた。
(『どうして』って・・・??)
「なにがです?」
「蓮君だよ。」
意味がわからなくて聞いたら、そう言われた。
「ますみ、あんなひどいこと言ったのに・・・助けてくれたよね。」
「いや、ひどい思いをさせたのは僕ですよ。」
さっきのことだとわかったので、言葉を選びながら伝えた。
「ますみちゃん、僕はますみちゃんが男の子の体だと知ったから、手を払いのけたんじゃありません。」
「顔を触ろうとしたから?」
「そうです。・・・マスクをはがされると思って・・・とっさに。」
「ばかみたい。プロレスラーのマスクの取り合いみたいじゃないんだから。」
「本当にすみませんでした。」
ムスッとした彼女に、頭を下げて謝る。
「ますみちゃんには、僕のせいで嫌な思いをさせてしまいました。本当にごめんなさい。」
素直気持ちで謝罪する。
これにますみちゃんは―――――――――
「変な人。」
「え?」
(言い方が悪かった・・・かな?)
短く、つぶやくように言われ、自分の言葉に不安になる。
反射的に、下げていた頭を上げる。
「謝れって言っても・・・謝ってくれた人いなかった。」
そう告げるますみちゃんは、すごく優しい顔をしていた。
拗ねてないし、怒ってもいない表情をしていた。
穏やかな顔で、ますみちゃんは私を見ながら言う。
「蓮君、ますみのこと、嫌い?」
「嫌いじゃないです。」
「好き?」
「好き、です。」
「どういう意味の好き?」
「・・・恋愛感情ではない、好きです。」
そう言ったら、ぷっ!と彼女がふきだした。


