彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




私を見ている人達を無視して、ミス・桃山女学院のプリンセスを抱えて歩く。

お姫様抱っこしたまま、舞台から舞い降りた。

私が歩けば、みんながよける。

道を開けてくれたので、背筋を伸ばして進んだ。

ますみちゃんみたいなモデル歩き。

途中、伊織さんが乗っていたはずの車がないことに気づく。

目だけで屋上を見れば、目くらましで使った光のライトもなくなっていた。





(うまく彼らも、逃げたのね・・・)




ヤマトも無事に脱出できたかしら?




そんな思いで、私も正門を出ようと進んでいたのだが。





バウンウウン!




「あ。」





その時だった。

正門へと向かっていた私の目に、美しいシルエットが映る。





(私のバリオス!!)





道のど真ん中で、愛車のバイクにまたがっている人を見て二度びっくりした。





(瑞希お兄ちゃん!?)





黒子ファイルのファッションをした1号さん。

目が合えば、にっこりと笑われた。

それで吸い込まれるように彼の元へと進んだ。





「みずー!?」

「1号だろう?」





目の前まで来た時、小声でささやかれた。




「1号さん。」




慌てて言い直せば、彼はもう一度微笑んでからバイクから降りる。

キーがささったままのバリオス。





(乗れと言う意味?)





そんな思いで、無言で単車にまたがる。

ますみちゃんをお姫様抱っこしたまま、修理を終えた愛車に乗った。





バウーン、バウウウーン!





エンジンをかけたところで、やっと周りの人達が騒ぎ出す。






「あ、ど、どこ行くんだ!?」




最初に動いたのはますみちゃんのお姉さん。

舞台から数歩、よろめくように歩きながら叫ぶ。







「凛道蓮!ますみをどうする気だ!?」






そう言いながら、こっちへ近寄ろうとしたので笑顔で答えた。






「ご想像にお任せします。」




ファンファンファンファン!



「凛道ぉぉぉぉぉ!!」





パトカーのサイレンと、聞き覚えのある罵声。





「バラさんだな。」

「岩倉って言うのが運転してますね。」




遠めでもわかるなじみの声と顔。

それを確認してから、はすみさんへと顔を向けながら叫んだ。