大声で泣くますみちゃん。
「ごめ・・・なさぁ!ます、ますみ・・・!
私に抱き付いたまま、彼女は声を詰まらせながら懺悔しはじめる。
「言えなかったの・・・!女の子だけど、女の子なのに・・・言ったら―――――!!」
「ますみ!やめろっ!!」
それを、はすみさんが声で制するが、ますみちゃんはしゃべるのをやめない。
「ますみのこと、みんな嫌いになるから言えなかったぁ!き、気持ち悪いって、笑われて、いじわるされて、当然だからって・・・!」
「ますみ・・・!」
今語られているのは、ますみちゃんの本心だろう。
つらかったこと、周りと違うことに悩んだこと。
「嫌だったの・・・認めてほしかったの―――――ますみは、女の子でいちゃダメなの!?」
「いいよ。」
泣いている女の子に私は言った。
「ますみちゃんは、女の子でいいんだよ。」
「れ、ん・・・君・・・?」
私は女の子に生まれ、女の子に違和感を持たずに生きてきた。
だから、ますみちゃんの苦しみも、想像でしか理解してあげられない。
でも、【凛道蓮】としての生き方を見つけたことで、世界が広がった。
この時のますみちゃんに、なにか通じるものを感じた。
「女の子で【正解】だよ。だから、ますみちゃんはそのことに疑問を持たなくていい。もう苦しまなくていいんだよ?」
「ますみを!ますみを女の子だって言ってくれるの!?」
「なに言ってるの?女の子じゃないですか?」
「れ、ん、くん・・・」
「つらかったね。でも、大丈夫。女性として、自信を持ってください。」
彼女の目からあふれる涙を、指先で拭いてあげながら伝えた。
「僕が認めるから、ますみちゃんは女の子でいて下さいね。」
出来るだけ優しい顔で、落ち着けるように穏やかな笑顔で、強く彼女に言った。
「うっうっ!うぁ・・・ああああ・・・・うえーん!!」
それでますみちゃんは、ワンワン泣きながら私の首に抱き付く。
「よしよし、良い子良い子。今まで、よく我慢したね?」
子供をあやすように、抱きしめて背中をなでる。
それでさらに強くしがみ付かれる。
泣き続けるますみちゃん。
だから私は、身をかがめて彼女を抱き上げた。


