彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



大声で泣くますみちゃん。





「ごめ・・・なさぁ!ます、ますみ・・・!





私に抱き付いたまま、彼女は声を詰まらせながら懺悔しはじめる。





「言えなかったの・・・!女の子だけど、女の子なのに・・・言ったら―――――!!」

「ますみ!やめろっ!!」





それを、はすみさんが声で制するが、ますみちゃんはしゃべるのをやめない。





「ますみのこと、みんな嫌いになるから言えなかったぁ!き、気持ち悪いって、笑われて、いじわるされて、当然だからって・・・!」

「ますみ・・・!」





今語られているのは、ますみちゃんの本心だろう。

つらかったこと、周りと違うことに悩んだこと。






「嫌だったの・・・認めてほしかったの―――――ますみは、女の子でいちゃダメなの!?」

「いいよ。」






泣いている女の子に私は言った。






「ますみちゃんは、女の子でいいんだよ。」

「れ、ん・・・君・・・?」







私は女の子に生まれ、女の子に違和感を持たずに生きてきた。

だから、ますみちゃんの苦しみも、想像でしか理解してあげられない。

でも、【凛道蓮】としての生き方を見つけたことで、世界が広がった。

この時のますみちゃんに、なにか通じるものを感じた。






「女の子で【正解】だよ。だから、ますみちゃんはそのことに疑問を持たなくていい。もう苦しまなくていいんだよ?」

「ますみを!ますみを女の子だって言ってくれるの!?」

「なに言ってるの?女の子じゃないですか?」

「れ、ん、くん・・・」

「つらかったね。でも、大丈夫。女性として、自信を持ってください。」






彼女の目からあふれる涙を、指先で拭いてあげながら伝えた。







「僕が認めるから、ますみちゃんは女の子でいて下さいね。」






出来るだけ優しい顔で、落ち着けるように穏やかな笑顔で、強く彼女に言った。





「うっうっ!うぁ・・・ああああ・・・・うえーん!!」





それでますみちゃんは、ワンワン泣きながら私の首に抱き付く。





「よしよし、良い子良い子。今まで、よく我慢したね?」





子供をあやすように、抱きしめて背中をなでる。

それでさらに強くしがみ付かれる。

泣き続けるますみちゃん。

だから私は、身をかがめて彼女を抱き上げた。