「俺はお前らをいじめる。」
怒鳴ってないのに、叫んでないのに、鋭く胸に刺さる言葉。
なかには、小さく叫んだ観客もいたけど、蓮君は静かに話し続ける。
「お前らは、自分がされても構わないから差別をする。いじめをする。だったら、俺がしてもいいはずだ・・・・!ますみを傷つけるために、水で溶ける制服を作ったり、友達のふりして、裏切って良い奴は自分がそうされても構いませんって公言してるのと同じだろう・・・・・!?」
「蓮く・・・?」
「だったら!俺がそいつらをブッ飛ばそうが、罵声をはこうが、許される!!」
「な、何を言っとるんだっ!!?」
蓮君の言葉に、来賓席にいた年配の男性が叫ぶ。
「黙って聞いていれば、君が言うことはどうかしてる!復讐に対して、復讐をしてもいいと言う考えじゃないか!?」
「敦盛先生!」
「敦盛議員!」
学校のイベントによく来てる議員だった。
ますみへ向ける顔は笑顔でだけど、その目は異物を見るものだと思っていた。
そのお偉い先生が怒鳴る。
「君は子供だから、そんなことが言えるんだ!社会に出れば、そんな考えは通用せんぞ!?殴られたら、殴り返していいと言う暴力的な考えでは、いずれ周りから見捨――――」
「見捨てたただろう!!?」
代議士の言葉を蓮君が遮る。
怒鳴り返す。
「さっきまで、ここで何が起きてた!?やめてくれ、助けてって言う女の子達に、なにやってた!?」
「わ、私は助けようとした!しかし、秘書に止められー」
「また秘書かよ!?都合が悪くなれば、秘書のせいか!?便利だな!?政治家が口ばっかりってのは本当だな!?」
「な!?このクソガキ!」
「それがどうした!?その通りだ!?文句あるなら、先に態度で示しやがれ!今日だって点数稼ぎで来たんだろうが!?民衆に優しい政治話できたら、先祖の墓参りしてさっさと消えろっ!!」
有無を言わさず、きつく怒鳴りつけた。
そして、議員から再び客席へと視線を動かしながら蓮君は叫ぶ。
「なんとかして助けようとした奴もいたが、それは何人だ!?どいつもこいつも、写メって、動画とって、LINEだTwitterに夢中で、助けもしねぇ!!リアルで困ってんのに、何のん気に眺めてやがる!?」
怒りを宿した目で訴え続ける。
「恥を恥じだってわからねぇのが、一番の恥さらしだぞ!!?」
その罵声を最後に蓮君は黙る。
蓮君は何も言わない。
誰も何も言わない。


