映写機を動かす獅子島さんは、あいかわらず姿勢が良いと思った。
(さすが獅子島さん。どこで入手したのか・・・エゲツナイ場面ばかり・・・)
「なにあれ!?最低じゃねぇか!彼氏の俺がいるのにふざけんなよ!?」
「お嬢様・・・・なんてことだっ・・・!!」
「このバカ娘!」
「嘘よね!?間違いよね!?ママ、信じてるわよ!?」
信じてると騒ぐ母親の娘が、画面の中で裸になっていく。
報酬の支払いを、身体で払っているシーンが流れていく。
〈彼氏には内緒よ~〉
〈ちょっとだけ~〉
〈あははは!これで一之瀬ますみが抹殺できるなら、安いもんよねー〉
ますみちゃんに恥をかかせてくれるお礼だと言って、恥ずかしい真似をする映像。
男と抱き合いだしたので、悲鳴が泣き声に変わった。
「なんでこんなことを!?」
「娘たちがどうして・・・!?」
「きっと、誰かにそそのかされて~」
「それはこの人ですよぉー♪」
陽気な声が響く。
「これって!?」
「校内放送!?」
(烈司さんの声・・・・)
それに合わせ、映像がやむ。
「はい、みなさん!国歌斉唱ですので、校旗にご注目~」
「あ!?誰か縛り付けられてるぞ!?」
見れば、旗を掲げているポールに誰かいた。
「片淵セイヤ!?」
「うう・・・!」
明らかに、新しい傷を作っていた。
きっと、黒子ファイブの誰かがしたのだろう。
ここまでされて、奴を皆さんに紹介しないわけにはいかない。
「無様だなぁー黒幕!!?」
そう言えば、全員が私を見る。
集まる視線を受けながら、ますみちゃんを抱きしめたまま言った。
「テメーますみにフラれたからって、ふざけんじゃねぇぞ!!?
「そいつは男だっ!!」
かすれ声でセイヤが叫ぶ。
腕の中のますみちゃんが、ビクッと震える。
現場にいる生徒や保護者、外部から来た男子達が、互いの顔を見合わせてボソボソしゃべりだす。
「なにがミス・桃山女学院だ!?美少女だ!?そいつは生まれた時から男だ!!男なんだよぉ~!!」
なりふり構わず言う姿に、怒りは感じない。


