「まぁ、キレイ・・・・素敵な演出ですわ~」
ホント、悪くない。
「風流ですわね、一之瀬さん。」
「はい、桐壺先輩。」
そう言って、なごやかな会話を交わした直後だった。
「きゃあ!?」
「え!?」
隣にいた桐壺先輩が悲鳴を上げる。
見れば、顔が水で濡れている。
「テメー何してやがる!?」
「お姉ちゃん!?」
「今の、中身が水だったな!?」
聞き覚えのある声。
見れば、バルブガンを持った男の1人のお姉ちゃんが締め上げていた。
「えー!?なに、いたずら!?」
「あの人がお姉様に水を!?」
「だれか!警備の人を呼んで!」
騒ぎ出す観客たち。
「な・・・なんですの!?」
「大丈夫ですか、桐壺先輩!?」
急いでハンカチを出して差し出す。
「ああ、ありがとう。一之瀬さん。」
不愉快な顔が、笑顔に変わる。
ますみを気遣う顔。
蓮君とダブる。
(何考えてるのよ、ますみ!)
しつこい記憶を振り払おうとしたら。
バシャ!バシャ!
「きゃあ!?」
「桐壺先輩!?」
立て続けに数発、また桐壺先輩に水がかかる。
「なっ!?」
「おい、今度はあっちから打ってるぞ!」
男の人の声。
見れば、撃ったらしい奴がこちらに銃口を向けていた。
それで、ますみのお姉ちゃんが怒鳴りつける。
「コラぁ!!撃つのやめろ!」
ピュー!!バシャ!バシャ!!
「テメー舐めやがって!」
お姉ちゃんの制止も聞こうとしない。
「捕まえろっ!逃がすな!」
「はい、はすみお嬢様!」
「はすみ先輩、了解です!」
それで我が家のSPとお姉ちゃん達弁才天が動く。
「ああ・・・!一体、なんなんですの??」
「大丈夫ですか、桐壺先輩!?」
とっさに、助けようと手を伸ばしたらー
バシャーン!
「きゃあぁ!?」
「一之瀬さん!?」
冷たい感触。
肌に張り付くブラウス。
それと一緒に、何かが、はがれ落ちる。
「え・・・!?」
「ますみ!?」
不審者を捕まえようとしたお姉ちゃんが振り返る。
ますみを見る。
「ますみぃ!?」
ギョッとした顔で、すっとんきょな声を上げるお姉ちゃん。
「え!?なにあれ!?」
見ていた生徒が、観客たちも目を見開く。


