彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





「まぁ、キレイ・・・・素敵な演出ですわ~」




ホント、悪くない。





「風流ですわね、一之瀬さん。」

「はい、桐壺先輩。」




そう言って、なごやかな会話を交わした直後だった。




「きゃあ!?」

「え!?」



隣にいた桐壺先輩が悲鳴を上げる。

見れば、顔が水で濡れている。





「テメー何してやがる!?」

「お姉ちゃん!?」

「今の、中身が水だったな!?」





聞き覚えのある声。

見れば、バルブガンを持った男の1人のお姉ちゃんが締め上げていた。





「えー!?なに、いたずら!?」

「あの人がお姉様に水を!?」

「だれか!警備の人を呼んで!」





騒ぎ出す観客たち。





「な・・・なんですの!?」

「大丈夫ですか、桐壺先輩!?」





急いでハンカチを出して差し出す。





「ああ、ありがとう。一之瀬さん。」





不愉快な顔が、笑顔に変わる。

ますみを気遣う顔。

蓮君とダブる。





(何考えてるのよ、ますみ!)





しつこい記憶を振り払おうとしたら。





バシャ!バシャ!

「きゃあ!?」

「桐壺先輩!?」





立て続けに数発、また桐壺先輩に水がかかる。





「なっ!?」

「おい、今度はあっちから打ってるぞ!」





男の人の声。

見れば、撃ったらしい奴がこちらに銃口を向けていた。

それで、ますみのお姉ちゃんが怒鳴りつける。





「コラぁ!!撃つのやめろ!」




ピュー!!バシャ!バシャ!!



「テメー舐めやがって!」





お姉ちゃんの制止も聞こうとしない。





「捕まえろっ!逃がすな!」

「はい、はすみお嬢様!」

「はすみ先輩、了解です!」





それで我が家のSPとお姉ちゃん達弁才天が動く。





「ああ・・・!一体、なんなんですの??」

「大丈夫ですか、桐壺先輩!?」






とっさに、助けようと手を伸ばしたらー




バシャーン!



「きゃあぁ!?」

「一之瀬さん!?」





冷たい感触。

肌に張り付くブラウス。

それと一緒に、何かが、はがれ落ちる。





「え・・・!?」

「ますみ!?」





不審者を捕まえようとしたお姉ちゃんが振り返る。

ますみを見る。





「ますみぃ!?」





ギョッとした顔で、すっとんきょな声を上げるお姉ちゃん。





「え!?なにあれ!?」





見ていた生徒が、観客たちも目を見開く。