彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





〈凛ちゃん、1人ずつ蛇の目を締め上げてる時間はないわ!〉

「それじゃあー!?」

〈作戦Fに入るわ!いいわね、れーちゃん?皇助にはあたしから連絡するから!〉

「りょーかい♪じゃ、あとでな、凛たん?」

「烈司さん!」

「それから、舞台の周りが怖い設計になってること、モニカに伝えてくれる?俺があれに気づいたのも、凛たんたちが来る直前。運営側が、ギリギリまでのサプライズだったみてぇ~」

「怖い設計?」

「じゃあなぁ~」





そう言うと、音もなく私から離れて人ごみに消えるヘビースモーカー。





(なんのことだろう?)




首をかしげつつも、烈司さんの言葉通り、舞台を見る。

じっと見つめて、あれ?と思う。

カラフルなシートで覆ってごまかしているけど―――――――――





「モニカちゃん、大変です!」





目に映った光景を見てゾッとした。






〈どうしたの!?〉



「舞台の周りを水で囲まれてます。」



〈なんですって!?〉





聞いていた話と違う不規則の事態。

耳をすませば、かすかに聞こえてくる水の流れる音。





〈やられた!あたし達の裏をかいてくれたわねぇ~〉

「ヤバいですよ、これじゃあー!」



(バルブガンの水を防げたとしても、周りの水の中に突き落とされたら―――――!?)





舞台から階段一つ分下がった場所に登場した滝のオブジェ。

そこから流れている水。

水たまりのようなものだけど、転んだら間違いなく―――――






「さらされちゃうじゃない!?」






共犯は、モデルの中にもいる。





「凛!ここにおったかいな!」

「ヤマト!?」






そこへ、土だらけのクマが飛び込んでくる。







「そこで宗方はんに、おうて、聞いたで!!えらいこっちゃやでぇ~!舞台の周りが水で囲われてるやん!?」

「わかってます、ヤマト!モニカちゃん!」

〈そうね。〉





私の言葉で、彼女も察してくれた。





「予定通り、作戦Fを実行しましょう!」


〈もちろんよ!4代目総長ちゃん!〉





あとは、時間との勝負。






(絶対に、ますみちゃんは私が守る!)





それが彼女への罪滅ぼしだから。