「発生音みたいなことをなさってたんですね~」
「そうよ・・・。驚かせてごめんね?」
「そんなことないですよ~」
「そういう理由でしたらねー♪」
「がんばりましょう、一之瀬先輩!」
可愛い顔して、キレイな顔で、親しげに言ってくる子達。
実際に、可愛いと思うし、大事にしてはいる。
だけど、気なんて許さない。
「本当にお騒がせしてすみません。先輩方も、失礼しました。」
「それならいいけど・・・」
「あ?まだ、なにかあんすか?」
「お姉ちゃん。」
「あ、あるわけないでしょう!みんな、行きましょう?」
「「「はーい!」」」
はすみお姉ちゃんのひとにらみで、一番年上の先輩が下の者を先導して部屋から出て行く。
はすみお姉ちゃんが怖くて何も言えない。
でも、その目に不満が込められている。
愛想よくして痛い後輩だって、陰でますみの悪口を言っている子がいるのも知ってる。
(弱みは見せられない。)
ましてや、コンテストを辞退すれば、女としての一之瀬真ますみのキャリアをつぶすことになる。
「いいのか?」
「なにが?」
2人きりの部屋でお姉ちゃんが言う。
「凛道のこと。」
「辞退なんて絶対しない。」
「・・・・そういうことじゃねぇんだけど・・・」
「何か言った?」
「いいや!安心しろ、ますみ。可愛いますみは、お姉ちゃんが守ってやる。一之瀬家のもんも来てる。親父たちに連絡して、追加で警護の者を送らせる。家族総出でますみを守る。だから、安心してミス・桃山女学院と出場してくれ。」
「ありがとう、はすみお姉ちゃん・・・。」
「姉ちゃんに任せておけ。可愛いますみのためなら、なんでもしてやるよ?」
そう言って、抱きしめてくれるお姉ちゃんを羨ましく思う。
女性らしい体と声が、うらやましい。
同時に、ますみを大事にしてくれる姉が大好きだった。
「ますみ、はすみお姉ちゃんが大好き。」
「あははは!もっと大声で言ってくれ!」
「だぁ~い好きっ♪」
みんなが喜ぶ笑顔で言えば、はすみお姉ちゃんは満足そうに微笑んでくれる。
それなのにますみは、携帯から、蓮君のアドレスを削除できなかった。


