「もうやめて、蓮君。」
〈ますみちゃん・・・?〉
「あんたみたいなヤンキーを、ますみが相手にするわけないでしょう!?もし怪しい奴がいるなら、蓮君じゃない!?」
もう聞きたくない。
もう話したくない。
もう蓮君に関わりたくない。
そうしないと、ますみは―――――
「凛君のことなんてどうでもいい!許してあげるから、二度とますみに関わらないで!凛君のメアドも、この番号もースマホごと解約する!」
〈一日待って!!〉
引き止める声が耳に響く。
〈今日だけ、消すの待ってください!着信拒否にするのも!せめて、コンテストが終わるまで待って!〉
切羽詰まった声で、蓮君は言う。
〈ますみちゃんの安全を見届けるまでは・・・・!〉
「・・・・・やめて・・・・」
(彼に、期待しちゃうじゃないの・・・・!!)
もういや!
苦しい!
これ以上は限界よ!
「お前もセイヤと同じでしつこいんだよ!うるさいのよ!死ね!クズ!勘違いのクソガキ!」
だから、真逆の言葉で、ののしった。
「あんたのせいで、ますみは余計に傷ついたの!何が助けたいよ!?好きな人がいるよ!大っ嫌いよ!」
〈待って!ますみちゃ――――――――!?〉
蓮君は、まだ何か言おうとしたけど電話を切った。
ますみの名を呼んでくれた気がしたけど、これ以上は聞けない。
「ますみ、お前・・・・」
携帯を握る私に、ますみお姉ちゃんが何か言おうとしたが―――――――
コンコン!
「一之瀬さん、どうしたの!?」
「ますみさん、すごい声がしたけど・・・?」
「大丈夫ですか、ますみ先輩!?」
部屋をノックする音。
入ってきたのは、同じモデルに選ばれた高等部の先輩と中東部の後輩達。
「今、中からすごい声がしたけど・・・!?」
「なにかあったの?」
「なんでもないですよ、みなさん。」
「・・・はすみお姉ちゃん。」
答えたのは側にいた肉親。
「本番前なんで、気合入れるために掛け声出してただけですから。」
「か、掛け声って・・・・」
「は、はすみさん・・・」
納得してない先輩達だったが、お姉ちゃんの目力から出それ以上は言えない。
「そうだったんですかぁ~よかったー!」
「なにかあったのかなって、心配しちゃいました~」
「ますみ先輩、わたくしも緊張してたんです~」
逆に、後輩達はホッとしたように笑顔で寄ってくる。


