「じゃあ、行ってくるね?」
「おう、自信持てよ!ますみが一番可愛いんだからなぁ~♪」
グッと親指を立てながら言うお姉ちゃんに、手を振った時だった。
タターン、タララ~♪
携帯が鳴る。
「ますみ、携帯切ってないのか?」
「あ、切るよ!誰よ・・・この時間はかけないでって、LINEで伝え・・・」
そこまで言って固まる。
(嘘。うそ、うそ、うそ・・・・!?)
薄いスマホ画面に表示された名前。
最軽量の携帯を重く感じる名前。
「りんどう、れん・・・!?」
「なに!?」
―凛道蓮―
ハッキリと表示されていた。
「凛道蓮からか!?」
お姉ちゃんも、ますみの携帯画面を見ながら叫ぶ。
「ますみ!?番号知らないんじゃないのか!?」
「し・・・知らない!?知らない!こんな・・!?」
「くそ!マコトみたいなパターンか!?ストーカーとか、最低だ!ますみ、かせ!あたしが出て、ハッキリと―!」
「ますみが出る!」
取り上げられそうになった携帯を、必死でかばう。
こういう時、いつもならお姉ちゃんに任せていたけど、それをさせなかった。
「ますみ!?」
当然のごとく驚くお姉ちゃんに言った。
「ますみが出て、話すから・・・!」
「平気なのか!?」
「ますみが話すの!」
「・・・わかった。その代わり、ヤバくなったら、いつでもお姉ちゃんに代われよ?」
「うん・・・」
強引にお姉ちゃんを説得する。
自分でも、どうしてそこまでしたのかわからない。
気づいた時には、電話の通話ボタンを押していた。
「も・・・もしもし・・・!?」
蓮君?蓮君なの?
〈ますみちゃん!やっと、声が聞けた!〉
「蓮君!?」
間違いない!
正真正銘本物の凛道蓮君だ!!
なぜか安堵したけど、同時に【疑問】がわいた。


