「お姉ちゃんもそう思うよね?」
「・・・いいから、行きな。もう始まるんだから集中しなよ?。」
「嘘つき。」
ますみの質問に答えない、いじわるなお姉ちゃんに言った。
「お姉ちゃん・・・蓮君は、他の奴と同じって思ってないでしょう?」
「ばか!なに言ってやがんだ・・・!ますみを泣かした男だよ!?あたしの可愛い妹を泣かすのは全部クズだ。」
そう言ってくれるけどわかる。
「だったら、なんでいつもみたいに悪口言ってくれないの!?」
いつもだったら、気持ちが良いぐらいに言ってくれるのに。
「たっくんは、将来ハゲそうだったとか、正人は最初から金目当てだったとか、ケイトは男の方が偉いって思ってるウヌボレ屋だって!」
それなのに――――――――
「凛道だって最悪だよ。」
やっと言った一言が、それ。
「どう最悪なの?」
「ますみ?」
ハッキリしないお姉ちゃんにイライラする。
「具体的に言ってよ!蓮君、どこが最悪だった!?ますみの手を振り払ったよね!?」
「・・・そうだ。そうやって、拒んだんだ・・・」
「本当に?」
「ますみ?」
わからない。
彼は、ますみが男の体と知っていて、拒否していたの?
知らないで、身も心も女の子だと思って、拒否していたの?
(どっちよ、蓮君・・・!?)
だから許さない。
やっぱり、許せない。
腹の虫がおさまらない。
ここまでますみを苦しめるなんて、愛しくて、憎らしい・・・・!
(いつもみたいに、ポイ捨てにして、嫌いになって、忘れれば終わりなのに―――――!?)
「本当に・・・蓮君は・・・・」
ますみを、普通の女のことして見ていてくれたの?
今は、どう思ってるの?
「ますみ・・・」
震える肩を、お姉ちゃんが優しく抱いてくれた。
「マジで、ショーが始まるぞ?主役がそれでどうする?」
「はすみお姉ちゃん・・・」
「一番前の良い席で、親父たちと一緒に見てるからな?良い笑顔で決めろよ?」
「お姉ちゃん、ますみは―――」
「今は、モデルに専念しような?」
「うん・・・」
何も聞かないお姉ちゃん。
言わせようとしないお姉ちゃん。
どちらも、はすみお姉ちゃんの優しさだって、ますみにはわかってる。


