彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




昨日、瑞希お兄ちゃんから教えてもらった情報。

明日の始業式の後に、今年の秋からリニューアルする制服をミス桃山が着て披露する。

モデル役は、幼稚園から高等部まで、各学年から3名選ばれる。

その中にますみちゃんもいる。

ミス・桃山女学院の総合優勝者であり、高等部でナンバーワンに輝いた美少女。

このイベントは、芸能プロやモデル事務所のスカウトの場でもある。

なによりも、一番の美少女であるますみちゃんが参加しないと言うわけにはいかない行事らしい。

ますみちゃんとケンカすることなく(?)話せるチャンスの場。





(早く、ヤマトの部屋で着替えなきゃ!)





このままダッシュで向かえば、間に合うよね!?





「凛っ!!」

「え!?」






名前を呼ばれたと思ったら、両足が床から離れる。




(なに!?)




そう思ったら、分厚い手が私の口をふさぐ。





「んん!?」


(なに!?だれだれ!?)




びっくりして手を離したカバン。

それを大きな手がつかんで、私ごと持ち上げる。





「静かに!」




男の声!?




くぐもった声だけど、女子の声じゃない。

男子の制服だと思った時、どこかの教室に連れ込まれていた。





「んんー!?」


え!?美術室!?

なんで!?カギがかかってるはずだよね!?






(どうしてこんな場所に私を連れ込むの――――――!?)




また前みたいに、渕上の機嫌を取るために、どこかの男子が襲ってきた!?





(いやぁぁぁ~~~)




手足をバタバタさせる。

そんな私に、相手は耳元でささやく。







「わしや!」

「むぐ!?」






目だけで背後を、上を見上げれば、覚えのある顔が私をのぞきこんでいた。





(ヤマト!?)





カチューシャにグラサンの顔が、呆れたように私を見ていた。