「そういう意味じゃなかったんだが・・・まぁいい。凛、腹減ってないか?」

「え?」

「好きなもの食わせてやるよ。出前取ろうぜ。」

「あ、あの!それでしたら、僕が作りますよ?」

「つーても、ここ五十嵐の家だぞ?」

「大丈夫です!大体は、把握してます!」

「はあ!?なによ・・・そこまで通ってんのか!?」

「え?そんなことな~」

「あるだろう?キッチンの道具の位置まで把握してるって、そういうことだろう。」




そう言うと、今度は私のアゴをグイッと掴みながら言った。




「凛、ちょっとそれ、お兄ちゃん心配だぞ・・・?」

「あ・・・」



怪しまれてる!


自分の発言ミスとはいえ、瑞希お兄ちゃんは私に疑惑の目を向けている。



てか、この距離で見つめられると恥ずかしい!


嬉しいけどにやけちゃう!


そんな顔になったら、「真面目に聞いてるのか!?」と怒られちゃう!


怒る顔も素敵で、ゾクゾクするけど~~~~!




(よし!話題を変えよう!)




「じゃ、じゃあ!もっと僕に構って下さい!!」

「は?」




知恵を絞り、不自然でない内容で、自分の欲望を彼にぶつけた。




「最近全然、瑞希お兄ちゃんと2人きりじゃない!かまってもらってません!!」

「あ・・・はあ?なんだそれ?」

「そうでしょう!?それなのに、僕がヤマトと話すぐらい~瑞希お兄ちゃんも烈司さんと話すことが多いじゃないですか!浮気者!!」

「はあっ!?なんでそうなるんだよ!?キモイこと言うな!烈司は~」

「幼馴染の親友でしょう!?僕だって、ヤマトは変人だけど大事な親友です!!」

「高千穂は良いのかよ?」

「高千穂さんもです!」

「可児は?」

「可児君も・・・たぶん。」

「たぶんかよ?」

「だって、僕がフレンドリーにしても、付き人みたいな感じなので・・・対等な友でありたいのに、未だに舎弟とかわけのわからないことを言うので・・・・・」

「ああ、そういう意味か?」

「そうですよ。円城寺君に関しては・・・・対等でなくても、仲間意識を持ってくれていたら嬉しいです。」

「大河には、ずいぶん気を使うんだな?」

「とっちゃいましたからね。4代目頭を。」




それで私のアゴをつかむ瑞希お兄ちゃんの力が一瞬強くなる。

こわばるような振動が伝わってくる。