「どうだ?」

「この角度からだと、ハート見えませんね~」

「そうじゃねぇだろう!?」

「あ、すみません!すっごく似合ってます!」

「当然。」





髪を耳にかけると、赤いピアスが光った。

沈む太陽の光で、キラキラと輝いている。

赤い石の中のハートが、反射して浮かび上がっている。




「やっぱり可愛い。似合ってるな~カンナさん。」

「・・・・・ホント、変な奴。」





良かったと思いながら言えば、髪をかきあげながら背伸びするカンナさん。




「じゃ、帰るか!どこまで凛を運べばいい?」

「えーと、僕がカンナさんを送ります。」

「ばか!お前狙われてんだぞ?守ってやっから。」

「ダメですよ。」




ヤマトの許可も取ってないのに、彼の家まで・・・マンション教えるのは良くないしね。





「今日は、僕がカンナさんを守る日なんです。」

「今日だけかよ?」




そう言いながら、振り返るカンナさん。




「あ!?そういう意味では~」




いつもより優しい顔をしていたので、ちょっとドキッとする。




「カ、カンナさんが望むなら、言ってくれた日は送りますので~」

「あはははは!瑞希お兄ちゃんと予定がかぶらなきゃ、だろう?」

「う!?それは~」

「お見通しなんだよ、ブラコ~ン?じゃまぁ、今日は、総長に従おっかな。」

「え?」

「送ってくれるんだろう、凛?」

「!?もちろんです!」




笑顔で聞かれ、同じような顔でうなずいて手を取り合う。

仲良くスクーターに乗り込む。

もちろん私が運転席で、カンナさんが後部座席。

そのころには、空は薄い紺色へと染まっていた。





「夕日、沈んだな。」

「ええ、また一緒に見ましょうね?」

「ああ・・・一緒に、な。」




そう約束して走り出す。




「青春じゃのぉ~」




だから、ガソリンスタンドのおじいさんがそうつぶやいたのを2人は知らない。







~不意打ち多発!?ヤンキーも真面目っ子も敵が多い!?~完~