人に会うことなく、マンションから出る。
バイクがあればいいが、ますみちゃんのお姉さんのおかげで百鬼さんのところだ。
代わりのバイクとして、スクーターを貸してくれた。
「正直、重たい大型バイクより、こっちが楽でいいんだよね~」
ただ、龍星軍の総長が乗るものとしては、かっこがつかないんだって。
半メットを被って車道へ出た。
このイライラと、さまざまのストレスを鎮めるためには、瑞希お兄ちゃんに会うしかない。
(考えて見れば、お風呂LOVE以来、あまり可愛がってもらえてないなー)
それどころか、本命を差し置いて女の子が寄ってくるし。
男の娘だったけど、女の子だけど。
寝不足もあって、ぼんやりと運転していたと思う。
ドルン!!
「えっ!?」
いきなり飛び出してきたバイクに気づかなかった。
気づかないと言うより~
「こ、公園から飛び出してきた!?」
それも階段がある場所から。
本来、人しか通らない
キィィィィィイイイ!!
(あぶないぃぃい~~~~~!!)
あわてて、ブレーキをかけて急停止。
「あ、危ないじゃ・・・!?」
バオーン!
カンカン!
ドッドッドッ!
注意する声を、たくさんのバイク音がかき消す。
「あぶなくねぇだろう~!?」
そう言ったのは、私の前に飛び出してきた人。
大型バイクにまたがり、赤い文字の入った服を着ている。
「はすみさん!?」
「付き合えよ、龍星軍4代目総長~?」
(囲まれた!?)
気づけば、周囲をヤンキー女子達に包囲されていた。
〔★凛は逃げれない★〕
「あんたのことはわかってるぜ、4代目。お兄ちゃん大好きなブラコンだから、お兄ちゃんのお店に向かう途中だったんだろう~?」
ギクッ!!
(バレてる!?)
「ち、違います!僕は、ブラコンですが~」
瑞希お兄ちゃんに害がおよばないように嘘をつく。
「嘘つけ!アニキの店に通じる道を走っときながら、バレバレなんだよ!」
舌打ちすると、邪悪な顔で弁才天の総長は笑う。
「アニキに責任取らせるのもいいな~!?」
(はぁ!?)
その一言でムッときた。
カチンときた。
(このシスコンは!)
設定も男女も関係あるか!
(瑞希お兄ちゃんに危害を加えるなら、ぶっ潰す・・・・!!)
そう心に決めると、完全にONとなった凛道蓮モードで穏やかに言った。


