(にしても・・・・まずいな。)
お母さんの話では、やってきた渕上達をリビングに通した。
部屋で待つように言われたという渕上に、ひとまずリビングでと言って上がらせなかった点は、お母さんを評価する。
(きっと、良い母親アピールをしたかったので引き留めたのだろうけど・・・)
気になったのは、持ってきたケーキを冷蔵庫に入れてる間に、鳥海がトイレに行きたいと言ったということ。
それでお母さんが簡単に場所を説明した。
これで渕上も、自分も行きたくなったと言ってついて行った。
残った難波がお母さんの相手をしていた。
10分ぐらいで鳥海が帰ってきて、渕上もその5分後に帰ってきた。
あとは、私が帰るまで誰も席を立たなかったと言うけど・・・
(つまり、あいつらは10分ぐらい人の家の中を動き回ることが出来たんだ。)
本当にトイレに行ったかなんてわからない。
アイツらが帰ってから、アイツらの行動を聞いてすぐトイレに行った。
水を流したような、使った後はあった。
(もし私なら・・・・)
本当にトイレに行く?
(いいえ。1人がトイレに入って、もう1人はトイレに行くふりをして動き回ったとしたら・・・・。)
渕上は鳥海が終わるまで、トイレの前で待っていたらしいが信用できない。
(私の部屋に入りたがったのも、物取りとかイタズラだけじゃない気がする・・・)
2人合わせて、15分。
疑惑の15分。
(気持ち悪い。)
ここまで、いじめぬこうという根性に気分が悪くなる。
(とりあえず、部屋の中で変わった様子がないか調べよう。)
のん気に勉強なんかしてられない!
何を仕掛けられているかわからない。
(仕掛ける?)
それでさらに嫌な考えが浮かぶ。
(盗聴器とか、隠しカメラとか、仕掛けられてないよね・・・・?)
否定できない危険。
渕上ルノアの財力なら、それぐらいは出来る。
ゲスい嫌がらせもする。
(くそっ!これじゃあ、部屋の中で凛道蓮の携帯も使えない!)
着替えだってできないじゃないの!?
(しゃべることだって・・・・)
証拠はないけど、実害は出てないけど。
(自由を奪われた・・・・!)
大きく息を吸い込んではく。
両親がいる下の階に響かないように、机やベッドを調べる。
パソコンも起動させる。
不審な点がないか、本棚から、クローゼットから探しまくる。
テスト勉強を断念する。
しかし、諦めたのはそれだけじゃない。
(今夜は、瑞希お兄ちゃんのところへもいけないわね・・・!)
それが一番腹立たしくて、思わず枕を布団に投げつけた。


