(カンナさん達には、会いたくないな・・・。)
こんな凹んだ姿、見られたくない。
気づかれたくもない。
(だけど、瑞希お兄ちゃんには会いたい。)
だったら、カンナさん達に会わないで瑞希お兄ちゃんに会うとしたら・・・・
(瑞希お兄ちゃんの仕事先に、行っちゃえばいいのか・・・)
ますみちゃんと出会うきっかけになった場所。
今日は出勤だと言っていたから、お客としていけば問題ない。
お金を落しに行くんだから怒られないはず。
〔★表現がゲスい★〕
そうしよう!
(瑞希お兄ちゃんに会いに、コーヒー飲みに行こう!)
どうせ、今夜は(テストで)徹夜するもん!
一石二鳥よね~♪
(そうと決まれば、またあいつらの名前を出して、勉強しに行くって言えばいいよね?帰りは遅くなるけど、テスト前の勉強会なら文句言われないよね?)
ルンルン気分で、家に帰る。
「ただいまー!」
玄関を開けて、帰宅したことを伝えた。
そう言って靴を脱ごうとして気づく。
「あれ?このニオイ・・・?」
我が家にふさわしくない香り。
玄関の芳香剤とは違う。
香水。
体が、拒絶反応をだすニオイ。
(やだ・・・なんでこのニオイが・・・?)
誰か来てる?
足元に目をやって叫びそうになった。
「あら、おかえりなさい、凛。」
「お母さん!」
「どうしたの、大声出して?お友達が来てるわよ?」
「お、友達・・・」
やめてよ。
(冗談でしょう?)
このニオイに、玄関にならんでいるこの靴は!?
「あ、凛ちゃん、おかえり~」
「凛ちゃん、待ってたんだよ~」
「先にお邪魔しちゃった・・・・ごめんね、凛ちゃん。」
聞えてきた最後の声が、甘ったるくごめんねという。
それで顔が引きつるのがわかった。
「ふ、ちがみ・・・さん?」
「『ルノアちゃん』でいいって言ってるのに。真面目なんだから、凛ちゃんは?」
「そうなのよ~引っ込み思案でごめんね~」
やわらかく笑ったいじめっ子の言葉に、楽しそうに母親が笑う。
凛道蓮も大変だが、菅原凛の方が大変になっていると思った。


