彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





(カンナさん達には、会いたくないな・・・。)



こんな凹んだ姿、見られたくない。

気づかれたくもない。




(だけど、瑞希お兄ちゃんには会いたい。)




だったら、カンナさん達に会わないで瑞希お兄ちゃんに会うとしたら・・・・





(瑞希お兄ちゃんの仕事先に、行っちゃえばいいのか・・・)





ますみちゃんと出会うきっかけになった場所。

今日は出勤だと言っていたから、お客としていけば問題ない。

お金を落しに行くんだから怒られないはず。



〔★表現がゲスい★〕



そうしよう!



(瑞希お兄ちゃんに会いに、コーヒー飲みに行こう!)



どうせ、今夜は(テストで)徹夜するもん!

一石二鳥よね~♪




(そうと決まれば、またあいつらの名前を出して、勉強しに行くって言えばいいよね?帰りは遅くなるけど、テスト前の勉強会なら文句言われないよね?)



ルンルン気分で、家に帰る。






「ただいまー!」



玄関を開けて、帰宅したことを伝えた。

そう言って靴を脱ごうとして気づく。





「あれ?このニオイ・・・?」






我が家にふさわしくない香り。

玄関の芳香剤とは違う。

香水。

体が、拒絶反応をだすニオイ。






(やだ・・・なんでこのニオイが・・・?)





誰か来てる?



足元に目をやって叫びそうになった。





「あら、おかえりなさい、凛。」

「お母さん!」

「どうしたの、大声出して?お友達が来てるわよ?」

「お、友達・・・」



やめてよ。



(冗談でしょう?)






このニオイに、玄関にならんでいるこの靴は!?





「あ、凛ちゃん、おかえり~」

「凛ちゃん、待ってたんだよ~」

「先にお邪魔しちゃった・・・・ごめんね、凛ちゃん。」




聞えてきた最後の声が、甘ったるくごめんねという。

それで顔が引きつるのがわかった。



「ふ、ちがみ・・・さん?」

「『ルノアちゃん』でいいって言ってるのに。真面目なんだから、凛ちゃんは?」

「そうなのよ~引っ込み思案でごめんね~」



やわらかく笑ったいじめっ子の言葉に、楽しそうに母親が笑う。

凛道蓮も大変だが、菅原凛の方が大変になっていると思った。