人に見られないようにヤマトと別れ、平静をよそおいながら帰宅する。
渕上達が、仲間のヤンキーだかわからない連中を使い、私を観察しているのはヤマト経由で知っていた。
(それだけでも不快なのに、後藤先生まで・・・・)
直接関わりあいがないからわからないけど、ヤマトからわかる範囲で教えてもらった。
まだ教師になりたての新米らしい。
正確は、優しくて、穏やかで、真面目だと言う。
同僚との付き合いはもちろん、生徒からも慕われているので、普通に良い人なのだろう。
(そうなると・・・私のことを心配するのは『先生として普通』なんでしょうね。)
最近やっと、1人でいることに慣れてきた。
夏休みが近いことも、気持ちを楽にしてるのだと思う。
だからこそ、怖いのだ。
(夏休みが終ったあと、私はきちんと学校に行けるのかな・・・)
不登校が増えるのが夏休み明けだとテレビでやってた。
学校を休むことは出来ない。
なんのために、あゆみが丘学園に来たのかわからなくなる。
テストと出席日数と、内申点は・・・・あきらめたにしても、良い大学には進学したい。
両親のためにも、そうすることが罪滅ぼしだけど・・・・
―凛は悪くない!親が悪いだろう!?―
(瑞希お兄ちゃんのところに行っちゃおうかな・・・)
何もかも捨てて、逃げ込んでしまおうか?
瑞希お兄ちゃんなら、私の話を聞いてくれる。
(会いたいな・・・・瑞希お兄ちゃん・・・・)
今『フェリチータ』に行けば、間違いなく会える。
(でもー・・・・・・・・)
同時に、カンナさん達もいるとヤマトは言っていた。


