相手が名乗ったところで、穏やかな顔の烈司さんが言った。
「つーことで、トレードしようか、サラスヴァティー?まゆこちゃんと凛たんを交換しようよ。」
「わはははは!馬鹿か、烈司!兵隊1人が、うちの凛助と釣り合うかよ~!?」
「馬鹿にすんなっ!!」
百鬼の言葉で、額に青筋を浮かべながら13代目総長は言った。
「幹部だろうがなかろうが、うちの看板背負ってんのは同じ仲間んだよ!」
「へぇ~それじゃあ~」
「まゆこを離しな!さもないと、百鬼とまとめて引き殺すぞ!?」
「総長ぉ!」
「だってよ、皇助?」
「わーはっはっはっ!!そりゃ、参ったなぁ~!離してやれよ、烈司~!?」
「ほらよ。」
その瞬間、無表情で烈司さんがまゆこという子を突き飛ばす。
同時に、はすみさんのバイクが爆音を発した。
ドゥロロローン!!
「まゆこ!」
「総長!」
素早くバイクの向きを変え、突き飛ばされて倒れかけていた仲間を、バイクにまたがったままキャッチする女総長。
「すごい!」
「たいしたバイクテクだな。」
「わはははは!」
(さすが、走り屋と言っていただけのことはあるな~)
感心していたら、仲間を取り戻した、はすみさんに言われた。
「テメー覚えてろよ、凛道!!」
「へ?」
そのまま、仲間を自分のバイクの後ろに乗せると、私をニラみながら言った。
「今日のところは引き上げてやる!けどな、ぜってぇケジメ取らせる!!」
「そうだ!はすみさんを、『弁才天』を敵に回したこと、後悔させてやるっ!」
「そんときまで、首洗って待ってやがれ!龍星軍4代目総長、凛道蓮っ!!!」
ドゥロン!ドゥロロローン!!
仲間とともに、強気で吐き捨てると、あっという間に走り去ってしまった、はすみさん。
「なにそれ・・・?」
残された私は、その姿を呆然と見送る。
「りーんすけぇ~!?」
「きゃわ!?」
理解できないまま、ガシッと首根っこを掴まれる。
「百鬼さん・・・」
「モテる男はツレーなぁー?」
「どこがですかっ!?危うく殺されかけたんですけどっ!?」
「そうだぞ、皇助!凛たん、マジで怪我はないか!?」
「うわぁーん、烈司さーん!」
楽しそうに聞く百鬼と対照的に、心配そうに駆け寄ってきた男前。
つままれた状態で抱き付けば、よしよしとあやしてくれる。


