「おいおい、ねぇーちゃん!ガードレール越えの飛び降り自殺希望者かぁ~!?」
「て、てめぇは!?」
私とはすみさんのバイクの間に入りこんだバイク。
はすみさんのバイクのヘッドライトを、片手でつかんで動きを止めている人物。
その人は、人類最強の野獣男。
「百鬼さんっ!!?」
「百鬼皇助!?」
「わはははは!俺様のことを知ってるのかぁ~!?」
「も、百鬼さん!」
「よぉ、凛助ぇ~!!楽しそうだなぁ~!?わははははは!」
私の呼びかけに、はすみさんを見たまましゃべる野獣。
「飛び込み自殺のまき沿いとは、つくづく不運だなぁ~!?わはははは!烈司にお祓いでもしてもらうかっ~!?」
「ざけんな!死ぬのはー!!」
「凛たんとは言わないよなぁ~仲間想いのはすみちゃん?」
「なに!?」
「その声は!?」
はすみさんと私は同時に叫ぶ。
声のした方を見れば、見覚えのある人がいた。
「烈司さん!!?」
「宗方烈司!?」
「はじめまして、『サラスヴァティー』♪おたくのお仲間からいろいろ聞いたぜ?」
「は、離せっ!」
笑顔で語る烈司さんは、知らない女の子を羽交い絞めにしていた。
「え?だれ・・・?」
「まゆこ!?」
「そうそう、はすみちゃんの仲間のまゆこちゃん。凛たん、無事かー?」
「だ、大丈夫です!」
「けど、凛たんの単車が無事じゃなかったんだよなぁ~『サラスヴァティー』に頼まれたまゆこちゃんが、悪戯してくれちゃってたからな~」
「サラスヴァティー?悪戯?」
「ちっ!!そうだよ!!」
烈司さんの言葉に、いまいましそうにはすみさんが叫ぶ。
「『サラスヴァティー』とは、あたしのことだ、凛道蓮!!」
そう言いながら、はすみさんは、着ていたジャケットを脱ぎ捨てる。
「あ・・・!?特攻服!?」
姿を現したのは特服と、はすみさんの本性。
「『サラスヴァティー』とは、あたしのあだ名!『弁才天』13代目総長、一之瀬はすみのな!!」
「えっ!?暴走族!?」
「世間ではレディースだぞ、凛たん。」
「わはははは!!」
赤い文字で書かれたチーム名と、肩書にギョッとする私。
対する烈司さんは笑顔で、百鬼は大爆笑していた。
〔★どちらも危機感がない★〕


