「そうね、ちーちゃんて子の言う通り、性同一性障害についての偏見はまだまだあるわね。」
「そうなんですか?」
「そうだぞ、凛道。あきらめたにしても、あれだけのモニカのセクハラに耐えられる奴はなかなかおらん。」
「ちょっと!口出ししないんじゃなかったの、イオリン!?」
「あと、あきらめたとかそう言うわけでも無くて~」
「では凛道、モニカと恋愛関係を持てるか?」
「好きな人がいるから無理です。」
「それ、ますみちゃんにも話したの、凛ちゃん?」
「言いましたよ!証人として、ヤマトもいます!」
「よりによって、グラサンを証人にするとは・・・変わり者だな、凛道。」
「選択できるなら、他の人を指名してます。」
「そっかー好きな人がいるってわかってるのに、好き好きアタックしちゃったわけねぇ~」
私の言葉に、ため息をつきながらカップを置くモニカちゃん。
考え込むような横顔に不安になる。
「あの・・・僕はどうすればいいでしょうか?」
「相手の出方次第じゃないかしら。」
私の方を向きながら、頬杖をついたモニカちゃんが言う。
「好きな人に好きな相手がいるとわかってて、アタックするのって悪くはないわ。」
「いや、アタック受ける側は困りますが!?」
「凛ちゃんの場合・・・女の子に優しすぎたのと、『硬派』を理由に恋愛とか避けてなーい?」
「そんなことないです!」
「そう?」
「そうです!『硬派』をそんな理由にしません!」
(性別を隠すために、使ったかもしれないけど・・・!!)
〔★悪用はしている★〕
「あたしはねー男は男、女は女らしくするっていう家庭で育ったから~一之瀬家みたいな家族が羨ましいのよね~」
「ご存じなんですか?」
「言ったじゃない?あたしみたいなタイプの仲間内じゃ、羨ましい家族だって?」
「家族まではいっとらんだろう、モニカ?」
「今言ったでしょ、イオリン!」
「まぁまぁ!話を続けて下さい!」
喧嘩しそうになったのを止めに入れば、ため息交じりにモニカちゃんは言う。


