彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




瑞希お兄ちゃんが最高なのは間違いないけど、今はそのことを、たたえてる場合じゃない。






「僕、瑞希お兄ちゃんに迷惑をかけたんですか?」






今回ばかりは、かばわれて、甘えるわけにはいかない。






「何度も言わせるな。そんなことはない。」

「だったら、教えて下さい。僕は、何をしたんですか?」






ジッと彼を見つめながら聞く。

それに応えるように、瑞希お兄ちゃんも私を見つめ返す。

つかの間の沈黙。

私のお願いに、私を見たまま瑞希お兄ちゃんは口を開けた。






「凛、お前、ますみちゃんが写真抱えて泣きながら逃げて行った後、まったく覚えてないのか?」

「はい・・・」

「どこまでなら、覚えてるんだ?」

「覚えているのは・・・・・僕がますみちゃんを、引き止めることも、何もできずに立ち尽くしていて・・・」

「そっから先は、まったくわからないのか?ここに戻ってきたのは、わかってるんだよな?」

「ええ・・・瑞希お兄ちゃん達の話す声が聞こえて、目が覚めて・・・・」

「ますみちゃんが、いなくなった後、なにをしたかも思い出せないのか?」

「すみません・・・すぐに思いだせるのは、それぐらいで・・・・・あとは夢を見てるみたいに意識がフワフワしていて・・・」

「マジかよ、凛!?お前がキレたら、そういう心境になんの!?あたしらの呼びかけも記憶に残ってませんてか!?」

「カンナさん?」

「やめろ、高千穂!あとは俺が話すから。」

「だけど、真田先輩!」

「話すって、なにをですか?」

「凛の記憶がフワフワした時のこと。」






そう言った瑞希お兄ちゃんの顔を見て、心臓がドクンとなる。

息切れのような、呼吸が苦しくなるような感覚。

同時に、両手の拳安値などが、ジンジンしてきた。

身体から伝わってきた痛みで理解する。






「僕・・・・・・・なにかしたんですね?」






血の気が引く。

組み手をした後よりも、強く感じるコブシの痛み。

殴り合いの喧嘩でもしてなきゃ、こんな風には・・・!?






(覚えているんだ・・・記憶はなくても・・・体の方が――――――――!?)





そんな私に瑞希お兄ちゃんは静かに告げる。